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物が語る先人たちの知恵と工夫に、困難な時代を生きぬく術を学ぶ 「博覧強記・油谷満夫の木の岐展」

NPO法人アーツセンターあきたは、秋田を代表する蒐集家・油谷満夫によるコレクション展「博覧強記・油谷満夫の木の岐展」を12月12日(日)~16日(木)に、秋田市文化創造館で開催します。

昭和25年から70年以上も民具の収集をつづける、稀代の蒐集家・油谷満夫。そのコレクションは、50万点以上にものぼります。そのコレクションの中から、今回は「木の岐(きのまた)」に焦点を当て、自然の造形を活かして生み出された道具の数々から、生活様式の変化や、先人たちの知恵と工夫を学び、考える展覧会として構成します。

木の岐とは、昔から生活の中で使われてきた、木を加工して作られた道具。木の幹や枝部分など、自然の造形を用途に合わせて手を加え、生活や産業をより円滑に補助するために活用されてきました。同じものはひとつもなく、作成者の創意工夫や手仕事の痕跡に溢れています。身近な道具として見落とされてしまう木の岐に注目し、蒐集してきた油谷満夫の視線と情熱。そして私たちが忘れてきてしまった自然と寄り添い、紡いできた社会と産業構造。木の岐から生活様式の変化や、先人たちの知恵と工夫を考える展覧会です。

※博覧強記・・・「博覧」は広く書物を読んで、多くの物事を知っていること。「強記」は記憶力のすぐれていること。

樹木の自然の造形を活かしてつくられる木の岐(また)の道具
いったいどんな用途につかう道具なのか、想像を膨らませてみて

Profile

油谷 満夫 Aburaya Michio

昭和9年、秋田県横手市生まれ。県立大曲農学校卒。 昭和25年から民具の収集を始める。昭和54年から13年間、角館町「青柳家」に「民具の館」を開き、「平鹿町農村文化伝承館」の主任に就く。その後、秋田県湯沢市秋の宮温泉郷に秋乃宮博物館を平成4年に開館(平成22年閉館)。平成24年4月「特定非営利活動法人 油谷これくしょん」を設立。   油谷これくしょん http://aburaya-collection.or.jp/

Information

チラシダウンロード

■ 会期:2021年12月12日(日)~16日(木) 9:00~17:00 ※火曜休館
■ 会場:秋田市文化創造館(秋田市千秋明徳町3-16)
■ 主催:NPO法人アーツセンターあきた
※入場無料

Writer この記事を書いた人

アーツセンターあきた 事務局長

三富章恵

静岡県生まれ。名古屋大学大学院国際開発研究科修了。2006年より、独立行政法人国際交流基金に勤務し、東京およびマニラ(フィリピン)において青少年交流や芸術文化交流、日本語教育の普及事業等に従事。
東日本大震災で被災経験をもつ青少年や児童養護施設に暮らす高校生のリーダーシップ研修や奨学事業を行う一般財団法人教育支援グローバル基金での勤務を経て、2018年4月より現職。

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