駅を中心としたまちづくりや、沿線の活性化など、包括連携に関する協定を締結しているJR秋田支社と秋田公立美術大学。その一環として、ものづくりデザイン専攻の教員らが中心となって、車両のラッピングデザインや駅の装飾に協力しました。
テーマは「卒業」。
男鹿線を走る蓄電池駆動電車ACCUMには、2両編成の車両の外側と内側に桜を散りばめた「卒業メモリアルトレイン」をデザイン。外装は助手で写真家の草彅裕の作品を用い、ACCUMのイメージカラーの赤と青に、桜の花々が青空にむかって咲き誇る様子をイメージしています。
一歩車内に足を踏み入れると、桜の空間が広がります。学生たちが一つ一つ手描きした桜の花びらが床面を埋め尽くし、まるで満開の桜の下に降り立った気分に。見上げると目に留まるメッセージは、全国からJR秋田支社に寄せられた、大切な人に宛てた「卒業メッセージ」の数々です。両親への感謝の言葉や、後輩から先輩へのはなむけの言葉など、想いのこもったメッセージの一つ一つを手書きで書き起こし、車内のポスターにレイアウトしています。なかには秋田出身のシンガーソングライター高橋優さんによる手書きメッセージも。
卒業メモリアルトレインは、4月5日(日)までの期間中、奥羽本線・男鹿線の秋田駅と男鹿駅間を運行します。運行スケジュールは、JR秋田支社のウェブサイトをご確認ください。
卒業生を見送る2つの駅に、黒板アートを設置
卒業メモリアルトレインが運行する男鹿線を結ぶ2つの駅、秋田駅と男鹿駅には、卒業をテーマにした黒板アートを設置しています。制作には、秋田公立美術大学の学生に加え、秋田公立美術大学附属高等学院の生徒16人が協力。
制作は1月に始まりました。週末を利用し、秋田公立美術大学内の工房で、直前まで技法を色々研究したという大学生が手本を見せながら、カラフルなチョークを用いて桜と菜の花、チューリップが咲き誇る風景を描き上げました。
「遠く離れても、」
「ずっとつながっている。」
秋田駅と男鹿駅に設置された2枚の黒板アートに施された言葉は、卒業で友人や家族、ふるさとと離れてもつながっているというメッセージとともに、電車によってつながる2つの駅の関係性をも暗示しているようです。
黒板アートの公開は、3月31日(火)まで。秋田駅中央改札口内と男鹿駅の待合室内の2カ所に設置されています。
Information
卒業メモリアルトレインのデザインと黒板アートの制作事業
■ 監修:秋田公立美術大学 今中隆介、柚木恵介
■ 写真:秋田公立美術大学 草彅裕
■ 制作:
秋田公立美術大学
2年生 五十嵐柚/坂井美結/中村沙弥香/藤原未弥/村田葵
秋田公立美術大学附属高等学院
1年生 五十嵐蘭/小助川葵/小松明日香/根田紗那/近藤可歩/近藤萌/金野香凜/斎藤姫和/柴田愛優菜/2年生 高橋ひより/三浦鮎美/三浦音羽/和田瑞生/工藤美羽/嵯峨拓途/三浦仲人