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静まる住宅街を照らす「新屋NINO」の灯り

秋田公立美術大学が実験的に取り組む空き家を利活用する「空き家プロジェクト」。地域の方々からお借りしている“元”空き家が、学生や教員による作品発表や作品制作の会場といったオルタナティブなスペースとして活用されています。 秋 […]

秋田公立美術大学が実験的に取り組む空き家を利活用する「空き家プロジェクト」。地域の方々からお借りしている“元”空き家が、学生や教員による作品発表や作品制作の会場といったオルタナティブなスペースとして活用されています。

秋田公立美術大学が実験的に取り組む空き家を利活用する「空き家プロジェクト」の一環として、秋田市新屋扇町のかつて印刷会社の倉庫だった建物を改修し、「新屋NINO」と命名して活用をはじめたのが2016年11月。その後、学生自ら建物内部の壁を塗装しギャラリーとして整備が進められました。以来専攻の授業成果展や学生らによる個展・グループ展の会場として頻繁に活用されています。

仕事を終えた帰り道、国道56号を新屋駅前通りに曲がると、久々に新屋NINOから漏れる灯りに目が留まります。新型コロナウィルス感染拡大防止のため、秋田公立美術大学の関連施設は3月下旬から利用が停止されています。「何だろう」とのぞき込むと、和紙などで形作られた球体のオブジェが色とりどりの柔らかな光を放っていました。

これは、昨年度の1・2年生を対象とした授業「地域プロジェクト演習」の一環で今年1月に開催された「あらや大川散歩道雪まつり」にあわせて制作されたもの。指導にあたった菅原香織准教授(景観デザイン専攻)の発案で、4月15日から新屋NINOに設置され、5月10日まで毎日16時から約8時間点灯されます。

Information

新屋NINO

住所:秋田市新屋扇町84-27

2016年度から秋田公立美術大学が実験的に行なっている「空き家プロジェクト」の一環として、地域の方々からお借りしている元・空き家3棟のうちの一つ。学生や教員が行うイベントなどに使用するオルタナティブスペースとして活用されている。

Writer この記事を書いた人

アーツセンターあきた 事務局長

三富章恵

静岡県生まれ。名古屋大学大学院国際開発研究科修了。2006年より、独立行政法人国際交流基金に勤務し、東京およびマニラ(フィリピン)において青少年交流や芸術文化交流、日本語教育の普及事業等に従事。
東日本大震災で被災経験をもつ青少年や児童養護施設に暮らす高校生のリーダーシップ研修や奨学事業を行う一般財団法人教育支援グローバル基金での勤務を経て、2018年4月より現職。

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