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議論を積み重ねる第一歩
ワーク1[北高跡地に期待することは?]

ワーク1では、議論を積み重ねていく第一歩として参加者に中心市街地活性化計画(平成31年)で実施したアンケートと同じアンケートに答えていただきました。アンケートの問いは「北高跡地に期待することは?」。約2年前に行ったアンケート結果と今回を見比べると、ほぼ同じ結果となりました。
アンケート結果
・イベント広場・市民の交流の場・子どもの遊び場|6票
・美術館等の教育文化施設|4票
・市民団体、サークル活動スペース|1票
・各種スポーツ施設|1票
・観光物産施設|1票
・起業支援施設|1票
・その他(災害対策、防災拠点のようなもの)|1票
ワーク1の集計結果をもとに「期待する機能」がかぶらない人同士となるようグループ分けを行い、ワーク2では新しい施設の在り方を想像しながら複合的な機能を持った施設について考えます。

新しい施設の在り方を想像する
ワーク2[北高跡地の機能を複合的に考える]

ワーク2では4つのグループに分かれました。各自が期待する機能をテーブルに並べ、どうしたらそれらの機能が共存できるかを考えます。従来の施設の内容に捉われる必要はありません。未来を考え、さまざまな機能が複合していく空間や場で人との関わりができていく。そういった新しい施設の在り方を想像していきます。

新しい施設の在り方を想像して北高跡地の機能を複合的に考えたワーク2。4つのグループではどのような意見交換があったのでしょうか。意見や提案の発表内容を以下にまとめました。

[B1グループ]
歴史を学べる施設をつくること。イベントやワークショップを行う場所をつくること。医療をメインとした施設をつくること。大きな公園にスポーツの場をつくること。この4つの機能案が出たのですが、どう複合していくかは2つに分けて考えました。
①歴史文化施設×イベントやワークショップ
能代市には美術館や歴史文化を伝える施設がないことから歴史資料館等を建築する必要性がある。木都らしく木材を全体的に使用し、能代を象徴する建物に。歴史を紹介する展示をしたり、学芸員が小学校でイベントをするなど子どもの学びともなるプログラムを行うのもいい。ワークショップスペースでは木工体験ができ、木材でおもちゃをつくって持ち帰れるようにするなど観光の面でも木都を主張できるのではないか。
②医療×公園
老朽化が進んでいる病院を移転し、医療施設と公園に。思いっきり体を動かせる大きな公園とし、3on3バスケットコートなどのスポーツコートやリハビリを兼ねたウォーキングスペース、病院に来た人と公園に来た人がご飯を食べることができるカフェスペースなども併設。公園には広いスペースがあるので防災救助の観点からヘリポートを置くという意見や、男子バスケだけでなく女子バスケチームも盛り上げていってはという意見も。

〇美術館等の教育文化施設×イベント広場
・市民の交流の場・子どもの遊び場
・小・中学校等が近くにあるため、先人に学ぶことができる施設を建てる
・学芸員によるイベントをする。広いスペースを(学校と連携)
・外観を木都能代を象徴する建物に(歴史民俗資料館&美術館をオール100%木材)
・まち歩きガイド等は資料館の案内人と重なるので、兼ねてもいいのではないか
・井坂記念館を移動し、木都の歴史を学ぶ
・役七夕や不夜城などの祭り(歴史)を学ぶことができる施設
・“制作体験”ができるイベントスペース
・のしろの“木材”に触ってみるブースがあってもいい(子ども向けスペース)
・大人が子どものために木のおもちゃ作りをする
〇医療・福祉施設×各種スポーツ施設
・専門の医療施設を建てる
・サナトリウムみたいな施設にしてはどうか
・木都復活をうたって公共の建物は今後すべて木造に
・病院に来た人と公園に来た人がご飯を食べられる施設も併設
・芝をはった公園の広いスペースを設ける
・防災の拠点としてヘリポートも併設
・他の建物と併設をさせた休憩スペースを設ける
・3 on 3バスケットコートを建てる。その他、団体スポーツのコートなども併設
・能代工業が盛り上がっているが、女子バスケチームも強化
・外周を回れる歩道を整備し、ウォーキングなどができるようにする
(B1グループの模造紙より)

[B2グループ]
B2グループでは、美術館等の教育施設、オフィス、イベント広場、商業施設、市民活動の拠点となる施設の5つについて考えました。能代には歴史や伝統文化を紹介したり学んだりできる場がないことから、能代の伝統行事である役七夕や天空の不夜城などの地域行事が見られ、いつでも笛や太鼓が体験できるスペースがあればいいという意見がありました。カルチャースクールやイベントなど季節に関係なく開催できて交流できるスペースが欲しいという意見も出ました。また、能代にはJAXAの研究所や秋田県立大学の木材高度加工研究所があるので、県外からもアクセスしやすい企業×研究の拠点をつくってはどうか。また、コールセンター誘致についての意見もありました。その他、能代では6次産業を頑張っているのでミョウガや山ウドといった特産品を販売するなど食のイベントが開催できるスペースもあればいいという意見がありました。

〇美術館等の教育文化施設
・博物館的な施設の費用対効果の大部分は本来、定量的表現に不向き
・弘前市のアウガやエリアなかいちのような総合施設。総合窓口やコンベンションホールがある
・能代周辺の文化財、能代にゆかりのある美術物の展示を伴う際、市民向けの講座を行えば自然と市民の交流の場となる
・美術館(広義の「博物館」)が市民団体サークル活動スペースの機能を持つ
・文化の熱を創出する。市民の学ぶ場に観光客に来てもらう
〇スーパーマーケット、コンビニ等の商業施設
・買い物難民に優しいスーパー、コンビニがあると便利
〇オフィス
・B1~F3までは商業施設、F4~F10はオフィス、F10~F12は市民団体、サークル活動、美術館など人が集まる場に
・オフィス施設にすることで、スーパー、コンビニや子どもの遊び場など県外から人が集まる仕組み作りができる。
・能代にはJAXAの宇宙研究施設や木高研がある。企業×研究の拠点にしてはどうか
〇市民団体、サークル活動スペース
・畠町新拠点→北高跡地の広い場所で活動できるようにする
〇イベント広場、市民の交流の場、子どもの遊び場
・食べる系のイベントをする
・人がたくさん集まることでイベント広場にする。交流の場に
・冬のイベントの開催。屋内でできるように季節を考慮する
・能代役七夕の練習の場、伝統を受け継ぐ場も必要
(C2グループの模造紙より)

[C1グループ]
C1グループでは、「能代の小さなまち」をキャッチフレーズとして話し合いました。スポーツ施設では例えば卓球の施設。それにプラスしてライブや映画上映などいろいろ活用できるイベント広場をつくれば若い人が来やすく、人が集まりやすい場所になるのではないかと思いました。また、企業支援という視点からは、北高跡地の階段脇を活かしていろいろなお店があると入り口として印象がいい。駐輪場もあるといい。例えばコンテナを設置してそこに出店してもらったり、宿泊施設としてコンテナを活用したり、高台にあることを活かして遠くからでも見え、注目してもらうことで人が集まる仕掛けを作ってはどうかという意見が出ました。道路を自転車も通りやすい広さとすることで中高校生なども立ち寄り、駅から徒歩圏内なので観光客も立ち寄れる“小さなまち”となるような複合的な施設を考えました。

〇スーパーマーケット、コンビニ等の商業施設 ×
ホテル・旅館等の宿泊施設×起業支援施設

・宿泊→コンテナホテル
・コンテナの街→商店街の出店をする(親の休憩場所としても使える)
・買い食いができる。カフェ的なものも
・能代は宿泊施設が少ない
・自由に使えるスペース(コンテナ)
〇映画館等の娯楽施設×イベント広場、市民の交流の場、子どもの遊び場
・イベントに合わせて出店
・コンテナに映画を投影する
〇美術館等の教育文化施設
・学生の勉強スペースを設ける
・子どもが集まれる場所、預けられる場所がある
・遠い所から見えるように(何だアレ…!)コンテナを積む
・各種スポーツ施設は階段の近く
・段差を区切りにお店を出店する
・細い道からひらけた所へ(ワクワク感がある)
・入り口は隠れ家的に→人が集まる広場
・自転車で通れるように
(B1グループの模造紙より)

[C2グループ]
能代で一番求められているものは何なのかを考えた時に、心の拠点が挙げられました。能代の歴史を学べる場所がない、能代を誇れるようなところがないという意見。また、能代の人が生き生き暮らせる場所であること、高齢者の暮らし、観光物産PRがうまくできていないという意見もあり、大きく分けて①自然と防災対策②大きな建物③団体が挙げられました。
①北高跡地の土地を松原に戻す。松原に戻して、セントラルパークのように人がたくさん集まれて、食べ物もあり、イベント広場にもなる場所であればいい。また、能代には防災拠点がないので、ここが拠点としての機能を持つことができればという意見も。
②能代で一番高い建物があればいい。北高の4階からは能代が見渡せたがそれがなくなってしまった。高い建物があれば人が集まるし、能代が見渡せるので子どもたちにも能代全体を説明できる良い場所になるのではないか。
③能代は人口が少ないわりには団体がしっかり存在している。それぞれがつながる場所がないのが現状。分野に関わらず団体同士がつながれる拠点になればいい。

〇イベント広場、市民の交流の場、子どもの遊び場
・松原を復活させる。セントラルパークのような緑地
・みんなが集まるイベント広場があればいい
〇高齢者施設
・いちばん求められるものは何か?
・心の拠点(位置付け)
・能代の人、高齢者の暮らしも生き生きと暮らせるようになればいい
・高齢者や子どもが集まるサロン的な機能がほしい
・ジャスコで過ごしている高齢者の方々も気軽に立ち寄れる場所になればいい
・無料バスを出してはどうか
〇スーパーマーケット、コンビニ等の商業施設
・能代をPRする発信拠点になればいい
・観光物産の機能も欲しい
〇市民団体、サークル活動スペース
・団体の間の繋がりが必要
・団体間の連携が薄く、1つの団体だけで活動していることが多くなっている気がする
・子どもの声が聞こえるのもいい
〇その他
・高台を活かして防災対策の拠点としてはどうか
・さまざまなところと繋がることを考えた時に面的にも大切な場所だと思う
・商店街との繋がりを作りたい
・能代で一番高い場所になっている
・能代という街がどういう街か分かるところがないので、そのような施設になればいい
・現状だと孫に能代を説明できるところがない
・能代が全部見える展望台のような機能になればいいかもしれない
・北高の4階から見えた景色は能代を一望でき、とてもよかったと印象に残っている
・若い人の意見を取り入れる
・多世代が交流できる施設になればいい
・高校生の数が減少している。とにかく人がいない
・小学1年生の数をベースに考え、将来的な学校の統合も必要なのではないか
・複合的な施設。学びのスペースも必要なのではないか。そもそも建物を建てる?
(B2グループの模造紙より)

ワークショップの進行に伴奏するように展開した平元美沙緒さんのグラフィック・レコーディング

第1回ワークショップで平元さんが描いたグラフィック・レコーディングと各グループが模造紙に貼っていった意見は、こちらからご覧いただけます。
グラフィック・レコーディング
グループ意見

継続的な議論とその記録をまちの財産にしていきたい
同じ敷地であっても議論をしていくとさまざまな利活用の方向性が出てきて、多くの発見がありました。北高跡地だけではなく能代市全体のことを考えた意見もあり、今回出された意見そのものが能代にとって大切な財産だと思います。しっかり記録し、アーカイブしながら広く議論を続けていきたいと思います。(井上)

具体的な土地利用を前提に、既成概念にとらわれずに
初回なのでアイスブレイク的にいろいろな可能性を膨らませるための第一歩でした。具体的な空間をイメージして発表したグループもあって面白いなと思って聞いていました。能代全体のことに思考が及んでいたと思いますが、長い時間をかけるのであれば「敷地の外を変えたらどうなるの?」ということにも広げていけるといいのかなと思います。具体的に土地を利用することを前提に、既成概念にとらわれず考えていきましょう。能代にはいろいろな団体が活動していますがあまり横のつながりが見えないという意見も聞きました。このWSからつながりが生まれるといいのかなとも思います。われわれも並走して、いろいろな方と会話できるような仕組みも含めて考えていきたいと思います。(小杉)

第2回ワークショップは11月28日(日)13:00〜16:00(能代市役所会議室9・10ほか)で開かれます。さらに12月9日(木)13:00〜15:00には秋田県立能代松陽高等学校にて高校生ワークショップを開催予定です。北高跡地の可能性について、さらに楽しく探っていきましょう。

撮影:伊藤靖史(クリエイティブ・ペグ・ワークス)

Information

能代北高跡地利活用の可能性を探るワークショップ

■スケジュール
第1回ワークショップ:2021年10月17日(日)13:00〜16:00
第2回ワークショップ:2021年11月28日(日)13:00〜16:00
第3回ワークショップ:2022年1月16日(日)13:00〜16:00 延期となりました

■場所
能代市役所 会議室9・10ほか

■プロジェクトメンバー
小杉栄次郎(秋田公立美術大学景観デザイン専攻)
井上宗則(秋田公立美術大学景観デザイン専攻)
船山哲郎(秋田公立美術大学景観デザイン専攻)
田村剛(NPO法人アーツセンターあきた)

■お問い合わせ
NPO法人アーツセンターあきた TEL.018-888-8137
#北高跡地利活用

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