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色と形にあふれた秋の公園を歩いてつくる 「Laef animal」葉っぱでどうぶつを

【こどもアートLab2021レポート②】
2021年度のこどもアートLab第2回目は「Leaf animal」。秋の公園を歩いて拾った落ち葉はいろんな形、いろんな色。さまざまな形と色にあふれた葉っぱを素材に、植物から動物をつくります。みんなどんな動物をつくったのかな?

秋田公立美術大学が主催する小学生対象のアートスクール「こどもアートLab」。
ここは、美術大学の先生や卒業生、秋田県内外で面白い活動をしている人とこどもたちとが出会う場所。新しい価値観を持つ多方面の実践者との遊びのなかで、新しい発見とさまざまな経験と出会い、自ら感じ、自ら考え、実現していくプロセスを体験できる場でありたいと考えています。

秋の公園で拾った葉っぱや実、小枝を使って、
どうぶつをつくろう!

2021年度こどもアートLabの第2回目は、「Leaf animal 葉っぱでどうぶつを!」。葉っぱで!どうぶつ!? 拾ったたくさんの葉っぱを使って、夢中で遊ぶ子どもたちの姿をついつい想像してしまいます。

今回のLabリーダーはグラフィックデザインと写真が専門の阪口正太郎さん(秋田公立美術大学教授)。これまでも植物や石などを拾って写真を撮影したり、作品として発表したりしてきました。ワークショップに参加したのは、1年生から5年生までの子どもたち10人と保護者の皆さんです。まずは秋田公立美術大学サテライトセンター(フォンテAKITA6階)に集まりました。

秋田公立美術大学サテライトセンターで10月24日(日)、「Leaf animal 葉っぱでどうぶつを!」を開催。Labリーダーは阪口正太郎さん
スタッフが前日に雄物川近くの林などで採取してきれいにした葉っぱもありますよ

植物からつくるのは「どうぶつ」

晩秋の雨上がりのこの日、千秋公園まで歩いていって、落ち葉のなかを散策しながら気になる葉っぱをたくさん集めます。「葉っぱはよく見るととても面白い形をしていたり、きれいな色をしていたり。歩きながら自然のなかで葉っぱを見ると、いろいろな発見があると思います」と阪口リーダー。葉っぱや小枝を組み合わせたり貼ったりして、つくっていくのは「どうぶつ」です。
「植物から、どうぶつをつくる。動物園にいるどうぶつでなくてもいいんです。いろいろなどうぶつを葉っぱからつくってみましょう」

晩秋の景色のなか、千秋公園の坂をのぼります
落ち葉や小枝など、材料をたくさん拾って帰ってきてね

葉っぱの「色」と「形」で描く、
Leaf animal

帰ってきてから、それぞれが葉っぱや実、小枝などをテーブルに並べていきます。阪口リーダーは「どういうどうぶつにするか決めてから拾ってもいいし、拾ってきてから決めてもいい」と言っていたけれど、みんなどんな「どうぶつ」を考えたのかな?

いろいろな色の葉っぱを大胆に重ねたり、細かく組み合わせたり
赤やオレンジ、茶色、黄色の葉っぱの色と形が素敵ないきものを描いていきます
杉の枝をベースにして、どうぶつを描き始めます
枝と葉っぱを使って、胴体がどっしりと盛り上がりました。足とおめめもチャーミング
ライオン!?
舞い散る葉っぱのなかに、何かがひそんでいます
お父さんと一緒につくった素敵な鳥。おしりの羽根もかわいいね
体は葉っぱ、しっぽは杉の枝で
親子がおしゃべりしているのかな? 窓の外の景色も素敵です
あれ?水の中!?
黄色系の葉っぱを並べていきます
躍動感いっぱいのキリンが出来ました!

出来上がった作品を阪口リーダーが真上から撮影していきます。葉っぱの「色」と「形」によって、多彩な色合いのグラフィックデザインが出来上がりました。
参加者や保護者からは、「いつもは目を留めないきれいな葉っぱを見つけることができて、発見があった」「自然のものを使って自分で考え、作品を完成させるのは貴重な経験だった」「身近なもので絵をかくことができて楽しかった」などの感想をいただきました。

「今日は植物でどうぶつをつくりました。何かを描くときは、いつも絵の具などを使っていると思います。葉っぱでどうぶつをつくることは、他のいきもので、他のいきものをつくること。自然のなかで、植物も人間も動物たちもみんなつながっているんだということを感じてもらえたらうれしいです」と阪口リーダー。
葉っぱを手にあれこれ思いをめぐらせ、葉っぱの「色」や「形」と向き合ったワークショップ。自然との対話によって、気持ちが広がった秋の1日でした。

足と首が細長いどうぶつ。ぽかぽか陽気のなかのんびり散歩している感じ
切れている葉っぱの形が、いい表情になりました

最後に、コーディネーターの有馬寛子(アーツセンターあきた)から。
「雨の上がった秋晴れの空の下、みんなで千秋公園をゆっくりと時間をかけて散策しました。葉っぱや実などの色や形はもちろん、触ったり、匂いを嗅いでみたりしながら植物を通じて秋の季節をより身近に感じることができました。
こどもたちが組み合わせた葉っぱから生まれた『どうぶつ』たちは、とても生き生きとしていて、そのまま飾りたくなるものばかりでしたが、葉っぱは時間が経つと乾燥し色や形が変わってしまうので、生き生きとしたつくりたての一瞬を阪口リーダーが写真として美しく切り取ってくれました。
何かとせわしない生活の中では、1日じっくりとおうちの方と一緒に取り組む時間は少ないかもしれません。今回の体験が、これからの遊びやものづくりの発想を広げるきっかけのひとつになってもらえたら嬉しいです」

Information

第2回「Leaf animal 葉っぱでどうぶつを!」

ワークショップは終了しました
プレスリリース
葉っぱって、いろんなかたち、いろんな色。あつめた葉っぱの色やかたちを組み合わせて、いろんなどうぶつをつくってみよう!みんなの大好きないきものをつくってね。Labリーダーは、グラフィックデザインと写真が専門の阪口正太郎(秋田公立美術大学教授)です。
●日  時:10月24日(日)10:30〜15:00(受付10:15〜)
●定  員:10名(先着順)
●対  象:小学校1〜6年生(低学年は保護者同伴)
●参  加  費:1,000円
●開催場所:秋田公立美術大学サテライトセンター(秋田市中通2-8-1 フォンテAKITA6階)
●申込期限:10月21日(木)17:00 定員に達しました
※先着順のため早めに募集を終了する場合があります。

Writer この記事を書いた人

アーツセンターあきた

高橋ともみ

秋田県生まれ。博物館・新聞社・制作会社等に勤務後、フリーランス。取材・編集・執筆をしながら秋田でのんびり暮らす。2016年秋田県立美術館学芸員、2018年からアーツセンターあきたで秋田公立美術大学関連の展覧会企画、編集・広報を担当。ももさだ界隈で引き取った猫と暮らしています。

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