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3つの素材が 高温の世界で出会い、生まれる「痕跡」
松下直史 個展「L’heure bleue ルールブルー」
金属素材と釉薬の関係性を研究する松下直史(ものづくりデザイン専攻研究生)の個展「L’heure bleue ルールブルー」が3月1日(水)、秋田公立美術大学ギャラリーBIYONG POINTで始まります。
松下は素材同士が引き立て合う反応を掘り下げ、その魅力が生活に溶け込むかたちを探る実験を繰り返しています。
熱で溶けた銀の粒が、白い滑らかな磁器のシルエットに沿って
重力の方向に流れ、表面に軌跡を描くように、滲む青。
そこからは、素材がもつ時間や温度が感じ取れ、鑑賞者に物語を連想させます。
本展では、窯のなかで温度と時間を共有した釉薬、金属、陶磁の3つの素材の存在を映し出す繊細な作品を、松下の研究の軌跡とともに展示します。
秋田の気候や景色を見た感覚、
その空気や光、色彩を
タイトルであるフランス語の「l’heure bleue(ルールブルー)」とは、日の出前と日の入り後、空が濃い青色に染まる時間帯のことをいいます。
金属が収縮や酸化によって釉に埋まり、光沢が出ること。釉薬が変化し、金属の周りだけが滲むように発色すること。白い素地の陶磁がその現象を引き立てること。これらの魅力を探求し、工芸分野における新たな表現方法として活用しようと研究する松下が生み出す表情そのものでもあります。
実験と制作を続け、生まれ育った秋田の気候や景色を目の当たりした感覚と重ね、空気や光まで感じることができる色彩やかたちを探求しています。
金属・磁器・釉薬が出会うことで生まれた
小さな現象と、儚い存在
金属と陶磁と釉薬が窯の中で出会うことで起こる反応を研究し、それぞれお互いを引き立て合う一つの存在のかたちを目指した。
熱で溶けた金属の銀色の粒が、白い滑らかな磁器のシルエットに沿って重力の方向に流れ、釉薬にその軌跡が滲むように青く発色をする。各素材が持った熱量から生み出された繊細な表情に、共通した温度や時間そのもののような魅力を感じる。その小さな現象から、身近な儚い存在や風景を連想してもらいたい。(松下直史)
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松下直史 個展「L’heure bleure ルールブルー」 イベント情報
ゲストに陶芸家の松永泰樹氏と、ファシリテーターに秋田公立美術大学ものづくりデザイン専攻准教授の安藤郁子氏を迎え、これからの工芸のあり方などをテーマにデモンストレーションを交えた座談会を3月18日(土)に開催します。(参加無料、要申込み)
参加お申し込みについては、インフォメーションをご覧ください。
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Profile 作家プロフィール
Information
松下直史 個展「L’heure bleue ルールブルー」
▼松下直史 個展「L’heure bleue ルールブルー」DM(PDF)
■会期:2023年3月1日(水)〜2023年3月21日(火・祝)、入場無料
※3月18日(土)はイベント準備のため13:00〜17:30のみ鑑賞可能。
※作家在廊日:3月1日(水)、3月15日(水)、3月21日(火・祝)
■座談会+デモンストレーション
[概要]作家・松下直史とゲストの陶芸家・松永泰樹が技術面の説明+デモンストレーションを行いながら展覧会場にて対談します。
[日時]3月18日(土)13:30〜15:00 ※参加無料、要申込
※お申し込みフォームhttps://forms.gle/3Wah2fohDxaUMuSGA
[ゲスト]松永泰樹(陶芸家)
[司会・進行]安藤郁子(秋田公立美術大学ものづくりデザイン専攻准教授)
■会場:秋田公立美術大学ギャラリーBIYONG POINT
(秋田市八橋南1-1-3 CNA秋田ケーブルテレビ社屋内)
■時間:9:00〜17:30
■主催:秋田公立美術大学
■協力:CNA秋田ケーブルテレビ
■企画・制作:NPO法人アーツセンターあきた
■お問い合わせ:NPO法人アーツセンターあきた
TEL.018-888-8137 E-mail bp@artscenter-akita.jp
新型コロナウイルス感染症の感染拡大状況等により、展覧会の開催期間や内容が変更になる可能性もあります。
※2022年度秋田公立美術大学「ビヨンセレクション」採択企画