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日常を、自由に詠む 佐藤ことみ個展「言葉の向こう、無効」イベントレポート

秋田公立美術大学ギャラリーBIYONG POINTで、1月28日(日)まで開催した佐藤ことみ(秋田公立美術大学大学院複合芸術研究科修士1年)による個展「言葉の向こう、無効」。1月22日(月)には作家で俳人のせきしろ氏を迎え、トークイベントを開催しました。

ふとした瞬間の発見や巡らせる空想は日々のスパイスとまではいかないものの風味づけ程度にはなるだろうという考えのもと、これまでに自由律俳句や短編小説・インスタレーション作品を制作してきた佐藤ことみ(大学院複合芸術研究科修士1年)による個展「言葉の向こう、無効」(2024年1月4日〜1月28日開催)。

本展では、誰もが扱うことができる「言葉」に焦点をあて、人とのコミュニケーションの齟齬や行き違いから生まれる魅力を内包した作品を展示しました。

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1月22日(月)には作家・俳人のせきしろ氏をゲストに招き、自由律俳句などについて語るトークイベントを開催しました。会場には、約20人が訪れ、本展の感想や、せきしろ氏の自由律俳句の作り方などに耳を傾けました。

本展では、印刷した文字を切り、壁に貼ることで作品を表現しています。佐藤は自由律俳句で都市の新しい見方を見つけるという研究を行なっており、日常に即した自由律俳句が多くなっていると説明。せきしろ氏は壁に貼られた作品群を眺めながら、「アナログなんだけど、展示空間に入るといろんなところに文字があり、デジタルな印象も受ける」などと感想を述べ、「ここに泊まれますね!」と会場の笑いを誘っていました。

トークでは、秋田での思い出なども語られました。
せきしろ氏は、出演中のBSよしもと『又吉・せきしろのなにもしない散歩』で、お笑い芸人で作家の又吉直樹氏とともに秋田県など東北各地を巡り、その土地ならではの自由律俳句を作成しています。

これまでに回った秋田の思い出については、男鹿半島のナマハゲが体験できる男鹿真山伝承館を挙げて、「2匹のナマハゲがいて、死ぬほどでかい音立ててくるんですよ。怖くてしょうがなくて」などとエピソードを紹介。秋田市の竿燈体験なども話題に上がりました。

このほか、自由律俳句とはどんなものか、作る上での発想の生まれ方などにも及んだトークイベント。訪れた人たちからも次々に質問が上がり、会場は大いに盛り上がりました!

Profile ゲストプロフィール

作家・俳人

せきしろ Sekishiro

1970年、北海道訓子府町生まれ。作家、俳人。
『バスは北を進む』、『たとえる技術』、『去年ルノアールで』、『放哉の本を読まずに孤独』、『蕎麦湯が来ない』(又吉直樹氏共著)、『ダイオウイカは知らないでしょう』(西加奈子氏共著)ほか。BS よしもと『又吉・せきしろのなにもしない散歩』出演中。 https://ash-d.info/talent/sekishiro/

Profile 作家プロフィール

佐藤ことみ Sato Kotomi

会津大学短期大学部で建築・デザインを学び、2022年に秋田公立美術大学に編入学。景観デザイン専攻でワークショップをもとにした作品制作や建築作品、グラフィックレコーディングなど様々な分野に取り組む。23年に秋田公立美術大学大学院入学後は文章表現を専門とし、建築設計の経験を生かして、文章表現と空間表現やインスタレーションの組み合わせの方法を模索している。
<主な展示イベント>
2023年11月   秋田公立美術大学大学院修士1年有志企画展「覗く」(秋田市)
2023年11-12月 展示イベント「あなたの緑屋プロジェクト」(秋田市)

Information

佐藤ことみ個展 「言葉の向こう、無効」

※展覧会は終了しました

佐藤ことみ個展「言葉の向こう、無効」DM(PDF)
■会期:2024年1月9日(火)〜1月28日(日)
■会期中無休、入場無料
■会場:秋田公立美術大学ギャラリーBIYONG POINT
   (秋田市八橋南1-1-3 CNA秋田ケーブルテレビ社屋内)
■時間:9:00〜17:30
■主催:秋田公立美術大学
■協力:CNA秋田ケーブルテレビ
■企画・制作:NPO法人アーツセンターあきた

Writer この記事を書いた人

アーツセンターあきた

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