ビヨンセレクションとは ?
2021年よりスタートした秋田公立美術大学の学内公募事業です。個展・グループ展などのBIYONG POINTでの展覧会を通じて、意欲的な学生による日頃の研究・創作の成果を発表します。展示期間中に専門家によるレビューを受ける機会を設け、作品の撮影記録とともに評論を公開し、学生らの将来の作家活動を視野に入れた支援を行っています。
2023年度は2024年1月〜3月まで、1カ月ごとに3人の学生が展示を行います。
佐藤ことみ個展「言葉の向こう、無効」
日々を風味づける発見や違和感
1月9日(火)〜1月28日(日)に開催されるのは、佐藤ことみ(大学院複合芸術研究科修士1年)による個展「言葉の向こう、無効」です。
佐藤は、ふとした瞬間の発見や巡らせる空想は日々のスパイスとまではいかないものの風味づけ程度にはなるだろうという考えのもと、これまでに自由律俳句や短編小説・インスタレーション作品を制作してきました。
「あなたの緑屋プロジェクト」(2023年12月)では、秋田駅前の緑屋ビルに滞在し、訪問者から緑屋ビルにまつわる思い出や、記憶を収集。自分の表現に落とし込んで短文を制作しました。
2023年11月に開催された秋田公立美術大学大学院修士1年有志企画展「覗く」では、出展のほか、メインセンテンスも担当。作品「小さな穴がある。」では、見えている世界が全てでは無いかもしれないという思いをテーマに接続詞に焦点を当て、小さな穴とそれを覗く人たちを題材に短編5作を発表しました。
展示イベント「みんなの祭り」(2023年12月)では、鑑賞者と共に作品を作っていくことをテーマに、「オノマトペを考えよう」「空間を読む」の2作品を出展しました。
線が立方体の中に張り巡らされた「オノマトペを考えよう」。鑑賞者が自分で考えたオノマトペを線にくくりつけて一つの立体作品を作りあげることをコンセプトとしています。
「空間を読む」は、自由律俳句を会場のALVEの壁面ガラスに配置。鑑賞者が自分自身や風景と自由律俳句を一緒に写真に撮ることで一つの作品が完成することをコンセプトとしました。
日常にある違和感を綴る
日常にある身近な違和感、出来事。
かき氷のシロップの味は全部同じなのか。なぜ、人はエレベーターで上を向くのか。
佐藤は、普段何気なく考えていることは全て日常を少しだけ面白くするための空想の世界の入り口であると考えます。
本展「言葉の向こう、無効」では、誰もが扱うことができる「言葉」に焦点をあて、人とのコミュニケーションの齟齬や行き違いから生まれる魅力を内包した作品を展示いたします。
メインビジュアル制作:Floatum
作品撮影:劉孟琛、佐藤ことみ
Profile 作家プロフィール
2月、3月も多彩な作品を展示
2月に開催されるのは岡本真実(ビジュアルアーツ専攻3年)の個展「ゲルマラジオ体操第一」。
3月には飯島小雪(大学院複合芸術研究科修士1年)の個展「僕らじゃない」を開催予定です。
学生たちの多彩な作品をぜひご鑑賞ください。
Information
2023年度秋田公立美術大学ビヨンセレクション採択企画
佐藤ことみ個展 「言葉の向こう、無効」
▼佐藤ことみ個展「言葉の向こう、無効」DM(PDF)
会期:2024年1月9日(火)〜1月28日(日)
岡本真実個展 「ゲルマラジオ体操第一」
会期:2024年2月10日(土)〜2月28日(水)
※最終日は15時まで(予定)
飯島小雪個展 「僕らじゃない」
会期:2024年3月8日(金)〜3月31日(日)(予定)
■いずれも会期中無休、入場無料
■会場:秋田公立美術大学ギャラリーBIYONG POINT
(秋田市八橋南1-1-3 CNA秋田ケーブルテレビ社屋内)
■時間:9:00〜17:30
■主催:秋田公立美術大学
■協力:CNA秋田ケーブルテレビ
■企画・制作:NPO法人アーツセンターあきた