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剥がれも、傷も、時すらも。
秋田県大仙市出身の仏画家、日本画家 鈴木空如(1872〜1946)の没後80年を記念した展覧会「空如KUUNYO展 ー法隆寺の魂を写すー」が、秋田市文化創造館で始まります。
空如は、風化による剥落や歴史が刻んだシミすらも異常なまでの執念で描き写し、焼損前の壁画の《現状模写》を現代に残しました。
仏教美術の傑作であり、圧倒的な美を誇る法隆寺金堂壁画のすべてを、空如はなぜ、三度もひたすら描き写したのでしょうか。画壇に属さず、あくまでも一人の仏画師として、法隆寺金堂壁画の模写と仏教美術の研究に生涯を捧げた空如とは、何者なのでしょうか。
本展では、現代のデザイナーやアーティストたちが壁画の本質と対話し、空如の〈狂気〉や〈情熱〉と向き合い、その模写と人間像に迫ります。

古典の美に迫る〈狂気〉と〈情熱〉
法隆寺金堂壁画模写〈一作目〉を公開!
空如が描き写した三作の壁画模写のうち、本展では〈一作目〉の模写12面を文化創造館スタジオAの大空間で展開するほか、抜き写しや写生帳、ゆかりの品なども公開します。
秋田市での空如展開催は34年ぶり、大仙市主催では初の試み。アーツセンターあきたは大仙市からの委託を受け、本展を企画制作します。



静かな情熱は、人を動かす
秋田県大仙市が生んだ仏画家・鈴木空如(1891-1946)は、生涯をかけて法隆寺金堂壁画の模写に取り組み、日本仏画の技法と精神を後世へ伝えることに情熱を注いだ画家です。しかし、その功績に比べ自らを語る言葉は少なく、その人物像は今なお多くの謎に包まれています。
本展は、法隆寺金堂壁画模写を紹介するだけではなく、「鈴木空如とは何者だったのか」を体感する人物展でもあります。そのため展示会場は、作品展示(2F)と人物展示(3F)の二部構成となっています。
作品展示では、約3メートルに及ぶ壁画模写をはじめ、仏画模写約2,000枚や写生帳の一部等をご覧いただけます。人物展示では、巡礼の御朱印帳、学生時代の習作、制作道具など、空如が遺した数々の資料を通してその「ひととなり」を紹介します。一人の画家が何を見つめ、何を未来へ残そうとしたのか。会場でぜひ読み解いてください。
本展は単なる画家の顕彰にとどまらず、空如が生涯をかけて守り伝えた技術や精神を現代の感性で再編集し、次の世代へ手渡す文化継承の場です。
作品を見終えた心に残るのは、模写の美しさだけではないでしょう。一人の人間が未来を信じ、静かに筆を握り続けた生き方そのものです。その静かな情熱が現代を生きる私たちへと受け継がれ、新たな創造へとつながっていくことを目指しました。鈴木空如の静かな情熱と魂に触れる機会として、ぜひ会場でご高覧ください。
写し出したのは、法隆寺の魂。
残したかったのは、
作品ではなく、未来でした。
幾多の年月を超えてこの貴重な財産を大切に守り続けてこられたご遺族や地域の皆様の真摯な想いに、深く敬意を表します。
アートディレクター 石川 昌
(秋田公立美術大学)
大仙市がクラウドファンディング実施中
法隆寺金堂、火災で失った色彩|「鈴木空如」模写絵を未来へ
主催する大仙市では現在、鈴木空如の法隆寺金堂壁画模写の保存と展示のため、クラウドファンディングを実施中です。2020年には原寸大の複製品を制作し、常設展示を実現。2024年、2025年には表装のなかった第一作12面のうち、合計で10面の表装を進行。さらに残る2面の表装を完了して一挙公開を実現しています。
詳しくはこちらをご覧ください。
▼【完結編】法隆寺金堂、火災で失った色彩|「鈴木空如」模写絵を未来へ

Information
鈴木空如没後80年「空如KUUNYO展 ー法隆寺の魂を写すー」
「空如展 ー法隆寺の魂を写すー」チラシ(PDF)、ポスター(PDF)
「空如展 ー法隆寺の魂を写すー」作品リスト、会場MAP(PDF)
■会期|2026年10月10日(土)〜2026年10月18日(日)
一般1,500円、休館日10/13(火)
■会場|秋田市文化創造館 2階[スタジオA](秋田市千秋明徳町3-16)
■時間|10:00〜18:30
■主催|大仙市 ▼鈴木空如没後80年特別展「法隆寺金堂壁画」展
■企画制作|NPO法人アーツセンターあきた
■ディレクション|石川昌(秋田公立美術大学)
■デザイン|渡辺恵(mi e ru)
■インストール|櫻井隆平(秋田公立美術大学)
■映像|伊藤達也(pin.Connect)
■コーディネート|高橋ともみ(アーツセンターあきた)
■後援|公立大学法人秋田公立美術大学
■お問い合わせ|
NPO法人アーツセンターあきた
TEL.018-888-8137 E-mail info@artscenter-akita.jp