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小さな違和感にポップに対峙 でぐちかやの個展「消費宣言」開催

秋田公立美術大学サテライトセンターで11月3日(火・祝)から、ビジュアルアーツ専攻2023年卒業の「でぐちかやの」による展覧会「消費宣言」を開催します。身近なモチーフを通し、流される楽さに逃げず、時間と労力をかけて思考と経験を重ね「消費し続ける」ことへの挑戦と宣言を表現します。秋田公立美術大学の卒業生を特集する卒業生シリーズVol.16。

違和感をクスッと、ちょっぴりチクッとする作品に

でぐちかやの(ビジュアルアーツ専攻2023年卒業)は、日常の中で何気なく使われる言葉や行動から生まれる小さな違和感を、クスッと笑えて、ちょっぴりチクッとする作品へと昇華させてきました。
食品サンプル制作会社に勤める現在も精力的に制作を続け、無意識に使う言葉や身近な日用品を通して、鑑賞者に「自分はどう考えるのか」を問いかける作品を追求しています。

でぐちはお金を払うことに限らず、時間と労力をかけて誰かの考え方や価値観を受け取り、自分の中に取り込んでいくことを「消費」と捉え、自身の「消費の仕方」を見つめてきました。そして、他人の意見や既存の型を無意識になぞり、分かったつもりになってしまう状態を「雑な消費」と定義します。

シールが流行れば集め、ガチャガチャが流行れば回す。「選挙に行け!」という言葉が飛び交い、結果が出れば「何も分かっていない!」という批判が錯綜する。これらの行為のどこまでが自分で選んだ「消費」なのかと疑問を呈します。

「情報に溢れる現代社会を楽しく生きるには、自分軸をしっかり持つことが大切だ」と語るでぐち。そのためには、自分の目で見て調べること、他の人の意見に触れ、自分はどう考えるのかを問い続けることが重要だと訴えます。

本展では、選挙看板や割引シール、調味料など日常で目にするモチーフを変換した作品を通し「私たちは何を、誰の言葉を、自分の意思で選んでいるのか」を問いかけます。

《目分量 -何でもかんでも「かわいい」のか!?-》<2020>
《甘かった。-ナメた言動が書かれたアメのパッケージ-》
でぐちかやの個展「甘かった。」@岩田商店Gallery2F(三重県)<2024>


秋田公立美術大学 卒業制作展2023 ゆらせ
《AEP ~Anger into Energy in a Positive way~ 怒られなくなったら終わり。》
<2023> 秋田魁新報社特別賞

消費宣言

「消費宣言」の消費とは、物を買ったり、サービスを受ける為にお金を払う行為を指します。しかし私は、消費と呼べるのではないかと考えました。

 最近、その消費が雑に扱われているように感じます。身近にあるスマートフォンは、特に用がなくとも開いてしまい、自分自身の選択を迫られる場面で、これまで何気なく見てきた他人の意見に無意識に頼ってしまうことがあります。

 例えば、SNS の投稿のあり方にも同じことが言えると思います。私が学生の頃、Instagram が広まり始めました。本来そこは、それぞれが自分の好きなものや日常を自由に表現する場所だったはずです。しかし、いつの間にか「おしゃれ」とされる型が生まれました。白黒の写真、統一された色味、余白のある構図。誰かが作った正解が、あたかも” センス” であるかのように流通し始めたのです。

 多くの人がそれを疑うことなくなぞる。自分で選んでいるつもりで、過去に見た他人の選択を繰り返しているだけなのに。それでも「自分の表現」だと思い込んでしまう。

 そこには確かに時間も労力もかかっています。けれど、その消費の先にあるのが自分の意思ではなく、既に誰かが作った型の再生産だとしたら、それはあまりにも雑な消費だと思うのです。

 自分の意思で取捨選択をすることが難しいほど情報に溢れる現代社会を楽しく生きるには、自分軸をしっかり持つことが大切だと感じます。その為には、外側の情報だけで分かった気になってはいけません。自分で調べること、自分の目で見ること、他の人の意見に触れること、そしてそこから自分はどう考えるのかを問い続けることが重要だと思います。

 これは、簡単なことではないからこそ、あえて宣言します。私は、流される楽さに逃げず、時間と労力をかけて消費し続ける。その先に、自分の判断と自信を持つと宣言します。

でぐちかやの

ギャラリートーク「言葉の重さくらべ」

本展では、関連イベントとして11月22日(日)に、日常の中で何気なく使っている・使われている「言葉」について考えるギャラリートークを開催します。

日常生活の中で目にする言葉や、誰かから発せられた言葉は、受け取る人や時間によって、その意味や重さが変化します。そうした言葉を、私たちはどのように受け入れ、使っているのでしょうか。
言葉と自分がどのように向き合い、作品の中でどのように扱っているのか。「かわいい」など、意味や重さが変化してきた言葉にも触れながら、これまでの経験や制作を通して紐解きます。

ゲスト:福住廉 美術評論家/秋田公立美術大学 大学院複合芸術研究科 准教授
日時:11月22日(日) 16:00~17:00
会場:秋田公立美術大学サテライトセンター
参加無料、申し込み不要。直接会場にお越しください。

作家プロフィール

でぐち かやの Deguchi Kayano

2000年生まれ。三重県出身/大阪府拠点。2023年秋田公立美術大学美術学部美術学科ビジュアルアーツ専攻卒業。
卒業制作展2023 ゆらせ《AEP ~Anger into Energy in a Positive way~ 怒られなくなったら終わり。》秋田魁新報社特別賞
<展覧会歴>
2024年 でぐちかやの個展「甘かった。」岩田商店 gallery (三重)
2026年 「周縁からの眺め Viewing from the periphery」MOMO GALLERY(名古屋)

Information

秋田公立美術大学卒業生シリーズVol.16
でぐちかやの個展「消費宣言」

でぐちかやの個展「消費宣言」(PDF)

■会期|2026年11月3日(火・祝)〜11月23日(月・祝)10:00〜19:00
 会期中無休、入場無料
■会場|秋田公立美術大学サテライトセンター(秋田市中通2丁目8-1 フォンテAKITA6F)
■主催|公立大学法人秋田公立美術大学
■企画制作|NPO法人アーツセンターあきた
■関連イベント|ギャラリートーク「言葉の重さくらべ」
 11月22日(日) 16:00~17:00 直接会場にお越しください
■お問い合わせ|
秋田公立美術大学サテライトセンター(NPO法人アーツセンターあきた)
TEL.018-893-6128  E-mail info@artscenter-akita.jp

Writer この記事を書いた人

アーツセンターあきた

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