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BIYONG POINTで小森はるか+瀬尾夏美「波のした、土のうえ in 秋田」

CNA秋田ケーブルテレビ内にある秋田公立美術大学のギャラリーBIYONG POINTで10月6日から、小森はるか+瀬尾夏美が東北の沿岸部に生きる人々の声と向き合った「波のした、土のうえ」が始まります。

小森はるか+瀬尾夏美 第10回巡回展「波のした、土のうえ」

秋田公立美術大学(理事長:霜鳥秋則)は、第10回巡回展「波のした、土のうえ」を10月6日より、秋田公立美術大学ギャラリーBIYONG POINT(秋田市八橋本町)で開催します。

BIYONG POINTは、秋田公立美術大学が運営するギャラリーとして、2015年のオープン以来、大学の取り組みを県内外に向けて積極的に発信する拠点として、大学の教員・助手や招聘作家による個展を開催してきました。本年からは、ギャラリー運営を大学の社会連携を担うNPO法人アーツセンターあきたが担当します。

新たな運営体制に基づく第1弾の企画として、この度、小森はるか+瀬尾夏美企画による第10回巡回展「波のした、土のうえin秋田」を開催いたします。なお、平成31年度には小森はるか+瀬尾夏美をゲストキュレーターに迎え、BIYONG POINTの企画運営を行う計画です。

本展覧会は、映像作家の小森はるかと画家で作家の瀬尾夏美によるアートユニットが、東北の沿岸部で生きる人たちの声を届ける媒体としての「記録」に向き合い、紡ぎ出された映像やドローイングといった表現の数々によって構成されています。

2014年のせんだいメディアテーク(仙台市)での展覧会「波のした、土のうえ」の開催以降、2015年4月の陸前高田から盛岡、神戸、東京、新潟、広島など、日本各地を巡回し、秋田での開催が第10回目となります。巡回展という形態をとることによって、訪れる先々において作品を展示して「声を届け」、人々との対話を通じて「声を集める」という過程を通じて、作品が多面的なものへの変化する試みです。

第10回巡回展「波のした、土のうえ in 秋田」

会期:2018年10月6日(土)~12月2日(日)9:00〜18:00
会場:BIYONG POINT(秋田市八橋本町1-1-3 CNA秋田ケーブルテレビ内)
企画: 小森はるか+瀬尾夏美

◼︎展覧会概要

私たちは東京の大学院生だった2011年4月に初めて東北の沿岸部を訪れ、地域の人たちに助けられていく体験を通して、「この場所で生きている人たちの声を誰かに届けたい」と考えるようになりました。そこで、時間や距離を越えて声を届ける方法として、「記録」に向き合い始めます。2012年春には岩手県南部の沿岸に位置する陸前高田市に拠点を移し、その土地で暮らすことを選びました。私たちはただただ、日々変わっていく風景を目の当たりにしながら、陸前高田の人びとに話を聞かせてもらいながら、このまちの傍に身を置き続けました。私たちの作品は、この土地と、この土地に生きる人びとの声を拾おうとする一連の行為の集積といえるかもしれません。それらが土地の記録の一部となり、同時に、声を届ける媒体になろうとする表現のひとつの形になるようにと考え、いままで手を動かし続けています。

本巡回展は2014年冬に発表した「波のした、土のうえ」という作品群の展示を軸とするとともに、訪れる各地で出会う人びととの対話を目的としています。大津波に洗われた陸前高田に経過した7年あまりの時間と同じように、他の土地に流れた時間もまた、あの時誰かが予想したどれとも違うものであったでしょう。声を届けながら、声をあつめていく。巡回の過程を通して、私たちの作品はより多面的なものに変化していくだろうと考えています。

ギャラリートーク

日時:2018年10月6日(土)18:00〜20:00
会場:BIYONG POINT(秋田市八橋本町1-1-3 CNA秋田ケーブルテレビ内)

二夜連続公開講座

①土地にはいって作品をつくる
②展覧会をつくり、使う
土地に入って作品をつくる場合の調査の方法や関係性のつくり方、展覧会をつくる上での実務的な段取りや巡回展というメディアの使い方など、作家活動をするうえで必要な技術や知識について、小森+瀬尾の実践を例にレクチャーを行います。
日時:2018年11月15日(木)・11月16日(金)18:00〜20:00
会場:アラヤイチノ(秋田県秋田市新屋表町8-11)

(2018.10.2プレスリリース)

Writer この記事を書いた人

アーツセンターあきた

高橋ともみ

秋田県生まれ。博物館・新聞社・制作会社等に勤務後、フリーランス。取材・編集・執筆をしながら秋田でのんびり暮らす。2016年秋田県立美術館学芸員、2018年からアーツセンターあきたで秋田公立美術大学関連の展覧会企画、編集・広報を担当。ももさだ界隈で引き取った猫と暮らしています。

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