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記憶の奥底に眠る「森」を彷徨う Wandering in the forest of the soul

秋田公立美術大学サテライトセンター(フォンテAKITA6階)で3月6日(土)〜28日(日)、「森」と「記憶」をテーマに描く作家・草彅亜樹を特集した展覧会「Wandering in the forest of the soul|あの日の森を探して」が始まります。

記憶の奥底に眠る「森」を描く
「Wandering in the forest of the soul|あの日の森を探して」

秋田公立美術大学卒業生シリーズ第6弾は、2011年に秋田公立美術工芸短期大学を卒業し、「森」をテーマに油彩画を描き続けている作家・草彅亜樹を特集します。

草彅が森を描くようになったのは、ある日の帰り道、森を前に感じた気配、感覚、感動がきっかけでした。
「迷いながら生きる感覚を、一筆ずつ探るように絵の具に込めて描いていく」
そう語る草彅は、記憶に眠るあの日の森を探すように、木々や葉の揺らめきに記憶を重ね合わせるように「森」を描きます。
油絵の具の質感と滴り落ちる溶剤が混じり、ゆっくりとした時間の流れの中に浮かび上がる森。グレーズ技法を多用しながらも細部に気を配った奥行きのある木々に漂う気配…。
本展では、草彅が自身の記憶の奥底に眠る森を画面に求めた油彩画を中心に、写真技法を用いたドローイングなども合わせて展示。時間とともに堆積した色彩と記憶の森が、ギャラリー空間に立ち現れます。

《green shade》 2018 oil colors on canvas 1620×5200mm
《garden B》 2019 oil colors on canvas 410×318mm
《fallen leaves》 2021 albumen print 127×178mm

人はそれぞれ心の中に
深く根ざした記憶をもっている。
それは私という人間をつくる以前のものかもしれないし、
私が生まれてから今まで積み上げたものかもしれない。
ただ日常のふとした瞬間に現れた
懐かしい記憶は継続してゆかず、
不規則に濃くなったり薄れたり、
移ろいゆく。

純粋に美しく感じたことを忘れたくない。
だから私は描いてみる。
無意識の中に堆積した色彩の記憶を
絵の具に融合させる。
記憶の気配だけでも掴まえたい。

Profile 作家プロフィール

作家

草彅亜樹 Aki Kusanagi

1990年秋田県大仙市生まれ、2011年秋田公立美術工芸短期大学卒業。
「森」をテーマに絵画を制作している。

主な展覧会に、
第17回灯籠絵展示会「ひじおりの灯」(2023年、山形)、「Wandering in the forest of the soul|あの日の森を探して」 秋田公立美術大学サテライトセ ンター(2021年、秋田)、「MOLE GALLERY -REBORN-」ART DRUG CENTER(2021年、宮城)、「MOLE COLLECTION 2020」Cyg art gallery(2020年、岩手)、秋田県若手アーティスト育成支援事業 絵画の未來展「in front of Green Shade」秋田県立美術館(2019年、秋田)など。

Information

卒業生シリーズVol.6
「Wandering in the forest of the soul|あの日の森を探して」

チラシ(PDF)はこちらから
■会 期:2021年3月6日(土)〜3月28日(日)
     10:00〜18:50 会期中無休
■会 場:秋田公立美術大学サテライトセンター
     (秋田市中通2-8-1 フォンテAKITA6F)
■入場料:無料
■主 催:秋田公立美術大学、NPO法人アーツセンターあきた
■お問い合わせ:
秋田公立美術大学サテライトセンター(NPO法人アーツセンターあきた)
TEL.018-893-6128  E-mail info@artscenter-akita.jp

Writer この記事を書いた人

アーツセンターあきた

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