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あそび×まなびのひろば
「鳥の巣画廊」の巣箱をのぞいて、森のなかへ!

2021.08.04

【大森山アートプロジェクト2021レポート①】
秋田市大森山動物園と秋田公立美術大学が取り組む「大森山アートプロジェクト」が今年も大森山公園一帯で開催中です。グリーン広場や彫刻の森では、木々に設置された鳥の巣箱がさらに森のなかへと誘います。

大森山公園で「大森山アートプロジェクト2021」開催中!

秋田市大森山動物園と秋田公立美術大学が取り組む「大森山アートプロジェクト」が今年も大森山公園一帯で始まっています。
大森山公園グリーン広場から彫刻の森にかけて展開する「あそび×まなびのひろば」は、子どももおとなも遊びのなかで学び、学びから新たな遊びをつくる創造的な広場として3年目を迎えました。2021年度の「あそび×まなびのひろば」は、秋田公立美術大学の学生・卒業生14人の手による「鳥の巣画廊」です。
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「あそび×まなびのひろば -鳥の巣画廊-」は大森山公園グリーン広場周辺にて8月29日(日)まで開催。7月24日のオープニングイベントでは、鳥の巣箱を制作した学生が巣箱を取り付けたその場で解説しました

彫刻の森の杉木立にも鳥の巣箱を設置して小さなギャラリーに。木漏れ日がまぶしい、森のなか

巣箱を見つけては、のぞいていく子どもたち。森のなかで別空間へと誘われます

壮大な森で出会う、小さな鳥の巣箱

コロナ禍によって、人と接触することや移動することがはばかられる状況が続きます。そんななかでも鳥は自由に国や地域を移動し、居場所を探して巣をつくり生きていきます。壮大な世界で生きる鳥にならい、大森山公園の森のなかに自然素材でさまざまな鳥の巣箱をつくり、巣箱を画廊として14人それぞれが作品を制作しました。壮大な森のなかの、小さな鳥の巣箱。見つけてなかをのぞければ、そこにはまた別の世界が待っています。

「あそび×まなびのひろば -鳥の巣画廊-」には村山修二郎准教授監修のもと、地域プロジェクト演習を履修する学生を中心とした1〜4年生に加え卒業生も特別参加。暑い日射しを浴びながら、学生たちは森のなかにどんな巣箱をつくったのでしょうか。

小濱百花《くーろんきゅう》は香港発祥の水菓子・九龍球をモチーフに制作。九龍球は寒天ゼリーの中にフルーツが入っていますがカラフルな小花をガラスに入れて涼やかに

楽しさの花、うれしさの花、悲しさの花、寂しさの花。たくさんの思い出の花が咲くポシェットをイメージした藤原すもも《いつかの思い出》。ずっと憶えているかのように、枯れずにそっと咲いています

ふたつの三角形を組み合わせた砂時計を思わせる巣箱が木立に溶けこむ依田碧《ゆるやかな日常》。巣のなかは暖色の花であたたさを表現

森のなかで感じた大切な
「時間」と「存在」をテーマに

大森山を歩いたとき「幼いころから馴染みのある香りがして、包み込まれるようで、すごく安心感や懐かしさがあった」という長谷川由美は《森はいつもあなたのそばに》を制作。大森山の森の雰囲気に「大切な祖父の面影が重なった」と話します。いつもそばにある存在として祖父の面影をイメージして制作した巣箱のそばには、木々のスケッチや言葉で構成したファイルを吊り下げました。

浅沼玲花《旅の途中で》は自分の「成長」をテーマに制作。「森羅万象はいろいろな影響を受けながら変化し続けていく。これから自分はどういう体験をしていくのか、どんな影響を受けて成長していくのか。20歳になるのを機に自分を見つめ直し、立ち止まって振り返る場にしたい」と語ります。

森のなかを流れ、やがて朽ちていく「時間」と「存在」を可視化しようと試みたのは、大野開《朽》。杉木立で2つの異なる木に設置した2つの巣箱のうち、ひとつは空っぽ。もうひとつには小さな黄色い花の絵が掛けられています。静かな時間のなかで時には虫が入り込み、時には風音が響くであろう時間と生物の存在を小さな巣箱に感じさせてくれます。

自分の知らないはるか昔から長く生き、頑固に根を張り、包みこんでくれる森への感謝をつづる長谷川由美《森はいつもあなたのそばに》

蔓や藁、麻縄などの巣箱に自分がこれまで影響を受けてきたものを閉じ込めた浅沼玲花《旅の途中で》

内匠光《貴方の「 」》の巣箱は、小さな家。屋根や扉を開けると小さな和室に静かな時間が流れています

鳥の巣箱を開けると、きれな女性の笑顔。歴史的パンデミックにひたすら家にこもり、手を動かして描いていた作品。水徐琉聖《人生は壮大な暇つぶし》

木漏れ日が差し込む杉木立にふたつの巣箱を設置した大野開《朽》。ひとつは空っぽ。もうひとつには小さな花の絵。風化した絵は絵としての役割を失い、もしかしたら何も残らず空っぽになるかもしれません