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秋田に暮らす人々やクリエイター、専門家が 交わり活動するプロジェクト 「PARK-いきるとつくるのにわ Public, Arts & Research Kitchen」

秋田市文化創造プロジェクトの一環として、秋田に暮らす人々やクリエイター、専門家が交わり活動するプロジェクト「PARK – いきるとつくるのにわ 」が2022年7月より、秋田市文化創造館を拠点にスタートします。

2021年3月の秋田市文化創造館のオープニング特別事業として展開した展覧会「200年をたがやす」のフォローアップ事業として、2022年7月から新たなプロジェクト「PARK – いきるとつくるのにわ (英題:Public, Arts and Research Kitchen)」が始動します。
 
本プロジェクトでは「観察する」「出会う」「育む」「残す」という4つのプログラムを通して、クリエイターによるプロジェクトや専門家を招いたトーク&ワークショップ、秋田で暮らす人々による活動の場を創出します。人や出来事が出会い、創造的な活動の種が育まれ、表現や創造性に満ちた瞬間となって実を結び、文化の種となって街に環っていく、そのように秋田の文化的土壌をたがやすことを試みます。

「PARK – いきるとつくるのにわ」を構成する4つのプログラム

1. 「観察する」クリエイターによるリサーチと表現

つくることを日々実践し、日常の暮らしをユニークな視点で観察しつづける県内外の3組のクリエイターを招き、秋田市中心市街地を拠点としたリサーチと作品制作(プロジェクト)を行います。
 
《参加クリエイター》
・ アウトクロップ(映像プロダクション・ミニシアター)
秋田を拠点にドキュメンタリー制作やシネマ運営を行い、クリエイターとして勢いを増す映像プロダクション、アウトクロップ・スタジオと、秋田市中心市街地にて新たなプロジェクトを始動します。

・ 身体0ベース運用法(安藤隆一郎)
染色作家による「ものづくりの視点」から「もの」との関わりによって生まれる身体の感覚、運動、機能を「0」から見直す身体論です。秋田の伝統的文化から身体の結びつきを思考するリサーチやワークショップを展開します。

・ わいないきょうこ(デザイナー、やぶ前)
長らくロンドンで活動後、近年は母の故郷である美郷町を拠点にするわいないさんが、秋田の食材を使いながら新たな食風景を作り出すプロジェクトを展開します。

左上から時計まわりに、アウトクロップ、身体0ベース(安藤隆一郎)(撮影:松見拓也 提供:京都市立芸術大学)、わいないきょうこ

2. 「出会う」新しい知識や技術と出会うトーク&ワークショップ

A. ローカルなフード(風土)を味わう
第一部では京都大学の秋津元輝教授をゲストに、食という身近な分野を起点としながら、(ちょっと遠くに感じる)未来や環境、社会のことについて考え、話し合います。第二部では美郷町にてスペース・やぶ前を運営するわいないきょうこさんを迎えて、秋田の食材を味わう調理ワークショップ・食事会を開催。頭と身体の両方から、ローカルなフード(風土)を見つめなおしてみましょう。
講師|秋津元輝(京都大学農学研究科教授)、わいないきょうこ(デザイナー、やぶ前)
日時|7月31日(日) 13:00-17:00
定員|第一部 25名、第二部20名(要申込、先着順)
参加料|第二部のみ1500円
 
B. 親子でサバイバル(火・食・住)
秋田市文化創造館の屋外エリアにて小学生とその保護者を対象にしたキャンプを開催。火を起こす(火)、ご飯を作る(食)、テントを立てる(住)などの体験から、もしもに役立つサバイバルスキルを学び、実践します。普段まちなかではできない遊びを通して、楽しみながら感性を育みましょう。
講師|柚木恵介(アーティスト、秋田公立美術大学准教授)
日時|9月11日(日) 13:00-17:00[予定]
定員|10組(要申込、先着順)

C. 千秋ノ市
しごと、生活、遊び、食など一つ一つに愛や願いを持って暮らす人々が集う「千秋ノ市」。秋田市文化創造館に様々なジャンルのブースが共存する空間を楽しんでいただけます。日常がちょっぴり豊かに楽しくなる、新たな文化に出会えるはずです。
*あきた芸術劇場「ミルハス」のグランドオープン日に合わせて開催。
日時|9月23日(金・祝)11:00-16:00
企画|ノ市実行委員会(株式会社See Visions)
 
D. 食べること、社会の中で生きること
『なぜふつうに食べられないのか:拒食と過食の文化人類学』『他者といきる リスク・病い・死をめぐる人類学』の著者・磯野真穂さんをゲストに迎え、トークイベントを開催します。磯野さんのレクチャーや、キュレーター・心理療法士として活動する西原珉さんとの対談を通して、「食べること」や「社会の中で生きること」について私たちがどのように受容/拒絶しているのか考えてみましょう。
日時|10月22日(土) 14:00-16:00
講師|磯野真穂(人類学者)、西原珉(キュレ—ション、ライター、心理療法士)
定員|40名(要申込、先着順)
 
E. 大地をたがやす芸術実践
地域に根ざしたアートの可能性を探究する企画を行う青森県立美術館 学芸員の奥脇嵩大さん、2021年度の秋田市文化創造プロジェクトとして実施した展覧会「200年をたがやす」を企画監修したキュレーターの服部浩之さん、そして集いの場の創出と文化拠点の形成を目指し活動するプロジェクトチーム・野ざらし。各地で行われる文化的土壌をたがやす芸術実践を知り、多様なクリエイティビティに触れてみましょう。
日時|11月23日(水・祝) 13:00-17:00[予定]
講師|奥脇嵩大(青森県立美術館 学芸員)、服部浩之(インディペンデント・キュレーター)、野ざらし[青木彬(インディペンデント・キュレーター、一般社団法人藝と)、佐藤研吾(建築家)、中島晴矢(アーティスト)]

ローカルなフード(風土)を味わうでは、地元食材をつかった食事会も

3.「育む」秋田で暮らす人々が手を動かしつくることを実践する場

秋田市文化創造館での野菜栽培や観察に取り組みながら、食と結びつく様々なテーマについて学び合います。野菜を育て味わうこと、専門家やプロジェクトメンバーと関わり活動することを通して、感性と知性を刺激し、一人ひとりの「生きる」力を育みます。
栽培指導|ガイアガーデン(秋田市柳田)
実施内容|
・野菜の栽培、収穫、調理、実食
・野菜生育の観察と記録
・参加者同士のミーティングや専門家を招いた勉強会
スケジュール|
・8月11日(木・祝)キックオフミーティング、夏野菜収穫
・8月中旬-下旬 野菜植え付け作業
・9月-12月 栽培、観察、集会の開催
・12月頃 収穫、調理、実食予定

秋田市文化創造館で栽培中の野菜

4.「残す」表現や活動を未来に継承するためのアーカイブ

「観察する」「出会う」「育む」の取り組みをクリエイターやイベントゲスト、プロジェクトメンバー、文化創造館を訪れた人など様々な人たちの目線で記録し、秋田市文化創造館内やウェブサイトにて公開します。表現や活動をその場限りのものとせず、次の活動へ繋がる種として未来へ継承することを試みます。

Information

PARK – いきるとつくるのにわ Public, Arts & Research Kitchen

チラシダウンロー
 
開催期間:2022年7月〜2023年3月
開催場所:秋田市文化創造館ほか
主催:秋田市
企画・制作:NPO法人アーツセンターあきた(芦立さやか、藤本悠里子)
 
※本事業は、秋田市「文化創造プロジェクト」の一環として実施しています。秋田市では「文化創造プロジェクト」を通して、市民による様々な活動や、人と人とのつながりを創出するなど、文化を切り口に将来のまちづくりを見据えたソフト事業やネットワークづくりに取り組んでいます。
 
秋田市文化創造館ウェブサイト
Facebook @park.akita
Instagram @park_akita

Writer この記事を書いた人

秋田市文化創造館

藤本悠里子

1994年京都市生まれ。京都造形芸術大学、秋田公立美術大学大学院にてキュレーション、アートマネジメントを学び、現代美術展等の企画を行う。2019年より現職、秋田市文化創造館開館準備/事業運営に関わる。企画制作した事業に「PARK-いきるとつくるのにわ」(秋田市、2022年)、「200年をたがやす」美術分野 (秋田市、2021年)、ALLNIGHT HAPS 2019「PORTABILITY」(京都、2019年)など。

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