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ビジュアルアーツ専攻研究生作品展 「まぼろしのるーぷ」

秋田公立美術大学サテライトセンターで2月19日(火)まで、ビジュアルアーツ専攻研究生による作品展「まぼろしのるーぷ」が開かれています。絵画作品と映像作品という異なるジャンルの2人の成果展でもあります。

ビジュアルアーツ専攻研究生2人による展覧会「まぼろしのるーぷ」

秋田公立美術大学サテライトセンター(フォンテAKITA6階)では2月19日(火)まで、ビジュアルアーツ専攻研究生2人による作品展が開かれています。

大平真子、古畑里穂による2人展。絵画作品と映像作品という異なるジャンルの2人が共に研究生として共有した1年間の成果展でもあります。

「規則正しく並んだモチーフは、自分が作品をつくる上でなくてはならないもの」と語る大平の絵画作品は、花々のようにも見える無数のモチーフで埋めつくされています。

≪ミラーボールマウンテン 赤≫に使われているのは、赤、オレンジ、白、金の4色。しかしその下地には、山並みを描いた風景画を展開しています。ただシルエットとして描くのではなく、下地として細かに重ねた山並みの濃淡の上に、グラデーションが美しいモチーフを配置。幾何学的な視覚効果を与えながらも、筆の軌跡が見える鮮やかな色彩のパターンの繰り返しが不思議な空間を作り出しています。

≪パーラル シリーズ≫
≪ミラーボールミラーマウンテン≫(=左から2つめ)≪ミラーボールマウンテン 青≫(=右)
≪フロム ザ フロア≫

ある法則に従って描く

大平は、「自分にとっての美しさとは左右対称であり、きれいな色であること。美しさは人によって感じ方は違うけれど、自分の中で感じる美しさのモチーフで画面を埋めつくすことに集中している」と話します。

美しさを追求するとともに、彼女の作風を支えているが「規則」を設けること。

「作品と向き合う前に、作品における決まりごとを自分で決めるんです。そのルールに従って描き切る。それは自分自身が描いた絵画に納得することでもある」と語ります。

≪ミラーボールマウンテン 赤≫(=左)

狂気を感じるような美しさ

一方、古畑は映像作品を出品。
「私の作品は、狂った女性をモチーフにしたストーリーや映像で構成。何かに執着して理性が壊れたように乱れた姿、狂気を感じるような美しさが女性にはある。幻想や妄想に踊らされる様子を美しく見せるように心がけて撮影を行なっています」

古畑の映像は、「私のすべて」(15分)、「幻に狂う。」(15分)、「すべては映画のように」(7分)、「汚」(15秒)、「デストピア」(5分)の5作品。その他、要望があれば「432」(1時間)、「ああ、こんな私は知らない」(1時間)の上映も可能。

「同じ時間を共有してきた2人の作品展は、これまでの学生生活、研究生生活の集大成でもあります。それに、同じビジュアルアーツ専攻でありながら、まったく異なる表現方法だという面白さも見ていただけたら嬉しい」と大平。2人の成果と、これからの展望を見据える展覧会でもあります。

ギャラリーの一角で古畑の映像作品を上映

Information

秋田公立美術大学ビジュアルアーツ専攻研究生作品展「まぼろしのるーぷ」

■会 期:2019年2月15日(金)~2月19日(火)10:00~18:00
■会 場:秋田公立美術大学サテライトセンター(秋田市中通2-8-1 フォンテAKITA6F)
■入場料:無料

Writer この記事を書いた人

アーツセンターあきた チーフ

高橋ともみ

秋田県生まれ。博物館・新聞社・制作会社等に勤務後、フリーランス。取材・編集・執筆をしながら秋田でのんびり暮らす。2016年秋田県立美術館学芸員、2018年からアーツセンターあきたで秋田公立美術大学関連の展覧会企画、編集・広報を担当。ももさだ界隈で引き取った猫と暮らしています。

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