「全国高校生 何でも、アリ。Creative Award」は、新しい芸術領域の創造に挑戦する秋田公立美術大学が2018年度より主催し、表現・活動に本気で取り組む高校生を支援するコンペティションです。
2023年度も、ジャンルやカテゴリーを取り払い「何でも、アリ。」と題して、高校生自身が夢中になっている表現や活動を動画(3分以内)で公募しました。応募総数は過去最多の176組。2023年12月には、一次審査を通過した16組の高校生が参加する交流会も開かれました。
交流会の様子や、金賞受賞者2組からのメッセージをお伝えいたします。
▶︎全国高校生 何でも、あり。Creative Award 公式ウェブサイト
▶︎「全国高校生 何でも、アリ。Creative Award 2023」結果発表!
交流会で互いの表現・活動を認め合う
2023年12月2日にオンラインで開催された交流会には、一次審査を通過した高校生16組と、審査員5名、協賛企業審査員3組、運営事務局スタッフが参加しました。
高校生たちの表現活動は「野外でランチ」「前年度のリベンジをかけた戦い」「自作の曲の弾き語り」「化学実験」「野球への想い」など幅広く、さまざまな動画が審査員の心を掴んで離しませんでした。
交流会は表現者の高校生本人から話を聞き、応募した動画について深く知る時間となりました。動画に込めた思いや今行っている表現活動、高校生活、将来のこと…。楽しかった出来事だけではなく、辛いこと、悲しかったこと全ての出来事から出てきた高校生たちの言葉を、思いを、審査員たちは受け止めます。
栄えある金賞受賞者は、誰だ!?
例年金賞受賞者は、1組のみが選ばれますが、今回は審査員の中で激論が繰り広げられました。
実は、審査員らからの得点が同率1位だった動画が2つありました。
1つ目は過ぎ去る青春の自由を謳歌するため、野外でお米を炊こう(!?)と思い立ったゆめこんぐ・はづ氏(愛知県立愛知商業高等学校)の2人組の動画「野外ランチ」。
■応募番号084 ゆめこんぐ・はづ氏(愛知県立愛知商業高等学校)
「野外ランチ」
何かしなくっちゃ!青春が終わってしまう! 私達は高校を卒業したら、社会人として働きます。学生のような自由さはもう体験できないかも… 何をしようか? そうだ!野外で米を炊こう!
2つ目は映像づくりに一人ひたむきに向き合い、自分の興味を原動力にサスペンス映画に挑戦したコウヘイ(鹿児島玉龍高等学校)さんの動画「一人で映画を作ってみた」です。
■応募番号145 コウヘイ(鹿児島玉龍高等学校)
「一人で映画を作ってみた」
映像作りに興味がわいてきたので、一人でサスペンス映画を作ってみました。制作日数は約20日でした。一人で撮影したことや、3分間に納めることに苦労しました。カメラを落としてしまい、レンズを壊してしまったこともありました。しかし、なんとか作り上げられた時の達成感は、尋常ではなかったです。是非、楽しんでみてください。
最終的な段階になっても、どちらも甲乙つけがたく意見が飛び交いました。「野外ランチ」「一人で映画作ってみた」の2つの動画はどちらも強烈な個性が光っていました。
審査員の中でも迷いが生じ、審査時間も残りわずかとなってきた時、ある提案がなされました。
「今日の交流会を振り返ると、『何でも、アリ。』はコンペティションではあるものの、どの作品もクリエイティブにおいては右に出るものはいないと感じた。例えば、戦わずに敵にハートを投げて愛を与える動画や、寮の中に感謝箱を設置する優しさにあふれた動画など、今の高校生の視点が入った動画がたくさんあった。だからこそ審査においても、戦わずして全員が勝つような平和な世界を生み出せる可能性を秘めているのではないのではないだろうか」
競わせるのではなく、2組ともを尊重する。「そうしよう!」と満場一致で2組の金賞受賞者が決定しました!
金賞受賞者からのメッセージ
「全国高校生 何でも、アリ。Creative Award 2023」で金賞を受賞した2組のコメントです。
ゆめこんぐ・はづ氏さん(愛知県立愛知商業高等学校)
ゆめこんぐ さん(愛知県立愛知商業高等学校)
思い出作りで出した動画が、まさかの金賞でびっくりしました。実は私(ゆめこんぐ)がサバ缶などのおかずを持っていく担当だったのに、すっかり忘れていて。(汗)
でもしっかりもののはづ氏が、ちゃんと持ってきてくれてたので助かりました~ それがなかったら、撮れ高ゼロでしたね(笑)交流会の際、危なっかしい動画と言われましたが、正直言われるまであまり自覚はありませんでした(笑)
シナリオもなく、行き当たりばったりでやっていきましたがそれが楽しかったです。また、同じ世代の色々な人たちの動画を見て、新しい世界を知ることもできました。「全国高校生何でも、アリ。」に出会えてよかったです。私たちの良い思い出になりました!
ありがとうございました!
はづ氏 さん(愛知県立愛知商業高等学校)
ゆめこんぐに誘われてから企画して準備して、理由もなく楽しそうだと思ったことや、やってみたいと思ったことに挑戦して、そんな時間がとても楽しかったです。
私1人ではこの作品はできなかったし、この楽しいと感じた時間もなかったと思います。
高校生という短い時間の中で、かけがえのない思い出が増えたことが一番嬉しいです。
ありがとうございました。
コウヘイさん(鹿児島玉龍高等学校)
コウヘイさん(鹿児島玉龍高等学校)
全国高校生何でも、アリ。Creative Award 2023において金賞を受賞させていただきとても嬉しく思います。
小さい頃、父に勧められて観た「スターウォーズ」が忘れられず、あのワクワクやドキドキを再現してみたいと思っていました。高校生になり、何もアクションを起こせずただただ流れていく日々。そんな中、美術室前の廊下で「何でも、アリ。」と大きく書かれたポスターが目に留まりました。
ナンデモアリ
その言葉は心の底で眠っていた好奇心を目覚めさせました。映画を作ろう、この一心が今まで抱えていた憂鬱や不安を吹き飛ばしました。まるで魔法の言葉でした。
「何でも、アリ。Creative Award」は僕の背中を押してくれました。そして自分が本当にやりたいことに気づくきっかけになりました。これからもきっと沢山の人の背中を押してくれると思います。
最後になりましたが、沢山の評価をいただきありがとうございました。また、賞状や賞品をありがとうございました。
実は次回作はすでに完成しております。この金賞を誇りにし、自信をもって、これからのクリエイティブ人生を謳歌していこうと思います。
金賞横断幕や特大タオル表彰状を授与!
金賞2組へ、運営事務局スタッフは賞品だけではなく、学生たちの表現・活動を応援するクリエイティブな金賞受賞横断幕や巨大なタオル表彰状を贈りました!
審査員長からエール、高校生たちのこれからへ!
柚木恵介
「こんなコンペ、他にない」。嬉しいことに、そういう言葉を聞くようになりました。その反面、審査をするのはとても困難です。なにせジャンルの縛りが無いので、全方位360度が対象範囲。学校の体育測定なんかでやっている「ソフトボール投げ」を想像していただきたいのですが、あれは枠の外にはみ出してしまうとことごとくファウルと言われます。要するに、いかにセーフの枠の中で遠くに投げられるかを測ってきたはずです。しかしここでは違います。全方位ファウル無し。どの方向でも構わないので、いかにして投げたかを愛でるのです。付け加えると、「こっちの方向がいい」と自分で決めて、投げるフォームも手段も好きなやり方でただただ純粋に向こうまで。
高校時代はきっとすぐに通り過ぎてしまうはずです。あっという間に20歳、30歳になり、いつか忘れてしまうかもしれません。それでも、ファウルラインなんて気にせずに夢中で何かをやった痕跡は、君たちの体の奥深くに残っていくのでしょう。
みんなサイコーでした。また新たな挑戦を楽しみにしています。
Information
全国高校生 何でも、あり。Creative Award 2023
※2023年度の本事業は終了いたしました
■対象:高等学校に所属している生徒
※高等学校には、定時制高校・高等専門学校(3年生以下)・通信制高校・高等専修学校・特別支援学校(高等部)を含みます。
※年齢不問
■応募内容:3分以内の動画
■応募期間:2023年8月17日(木)〜10月17日(火)
■全国高校生 何でも、あり。Creative Award 公式ウェブサイト
■X(旧twitter): https://twitter.com/u18cc
■Instagram:https://www.instagram.com/u18cc/
■facebook:https://www.facebook.com/u18cc
■審査員:柚木恵介、田中偉一郎、杉浦由梨、原田祐馬、永沢碧衣、高校生と一緒に地域盛り上げ隊、高校生のごはん応援隊、未来のミカタ 情報基地
■主催:秋田公立美術大学
■企画・運営:NPO法人アーツセンターあきた
■後援:文部科学省、秋田県、秋田県教育委員会、秋田市、秋田市教育委員会
■協賛:JR東日本 秋田支社、JA全農あきた、秋田魁新報社
■問い合せ先:NPO法人アーツセンターあきた(担当:小野、田村)
[TEL]018-888-8137
[E-mail]info@artscenter-akita.jp