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秋田の〈風土〉を根幹とする表現の可能性。展覧会「漂着する思考 ー新屋浜をめぐる現代作家との対話ー」開幕

秋田を拠点に活躍する若手アーティストと収蔵作品を通して現在を捉える展覧会「漂着する思考 ー新屋浜をめぐる現代作家との対話ー」が、2024年7月20日(土)、秋田市文化創造館で開幕します! 7月21日(日)には作家によるギャラリートークやライブなどを開催。5人のアーティストと収蔵作品によって、秋田の〈風土〉を根幹とする表現の多様性と可能性に迫ります。

表現者の思考と記録、痕跡、残像

秋田を拠点に活躍する若手アーティストと収蔵作品を通して現在を捉える展覧会「漂着する思考 ー新屋浜をめぐる現代作家との対話ー」が2024年7月20日(土)、秋田市文化創造館で開幕します。

深い雪をかき分け来訪神が訪れ、新屋浜にはクジラが漂着し、山並みから里に熊が訪れる土地。秋田では、これらが〈風土〉として語られる一方、美術においても重要な要素となり表現者の思考に影響を与えています。作品や記録、表現者が残した痕跡もまた、土地の〈風土〉を形成する有相無相の漂着物と捉えることができるでしょう。

本展では、「領域横断」「複合芸術」を教育方針とする秋田公立美術大学の卒業生優秀作品と、秋田を拠点に活躍するアーティストによる作品に加え、前身である秋田公立美術工芸短期大学時代から収蔵する工芸作品等によって「漂着する思考」を提示します。
表現者の思考と記録、痕跡や残像を漂着物に喩えながら、工芸から現代アートまで、秋田の〈風土〉を根幹とする表現の多様性と可能性に迫ります。

上/おおだいらまこ《大きい橋》2023年 下/《∩頂天》より 2024年
 大東忍《踊り場(秋田市下浜名ヶ沢、郡上おどり かわさき)》、2023年

アーティスト5人と、収蔵作品
新屋浜をめぐる現代作家との対話

出展は、秋田を拠点に活躍する若手アーティスト2人と、秋田公立美術大学卒業制作展(2023年度)にて学長賞等を受賞した3人の若手アーティスト。秋田公立美術大学の全身である美術工芸短期大学時代に制作された工芸作品等とのコラボレーションによって、この地に堆積する思考と記憶が交差します。

作家プロフィール

おおだいらまこ Mako Oodaira

1995年青森県生まれ。「絵画作品と鑑賞者を含めた展示空間」をテーマに作品制作を行う。展示形態を一般的な壁掛けではないものにしたり、絵画作品とは何かという疑問のもと平面的ではない絵画作品を制作するなど鑑賞者と絵画作品がより良い関係性を築くための研究を続けている。公開制作「おおだいらまこ→ハッピーライフ」(秋田市文化創造館/秋田、2023)、第22回グラフィック「1_WALL」展(ガーディアン・ガーデン/東京、2020)など。

大東忍 Shinobu Daito

1993年愛知県生まれ。2019年愛知県立芸術大学美術研究科博士前期課程修了。風景から人の営みを読み取るために歩く・踊る・描く実践を行っている。「VOCA展2024 現代美術の展望 ー平面の作家たち」(上野の森美術館/東京、2024)にてVOCA賞受賞。個展「TOKAS-Emerging 2023『風景を踏みならす』」(トーキョーアーツアンドスペース/東京、2023)、「なめらかでないしぐさ 現代美術 in 西尾」(康全寺/愛知、2023)など。

後藤那月 Natsuki Goto

2001年秋田県生まれ。2024年秋田公立美術大学アーツ&ルーツ専攻卒業。流動的に土地を渡り個人的体験と現地でのリサーチの交わりから、人類普遍の原始的な知覚や目でとらえられない風景の変化を探るべく表現を続けている。個展「nowhere “Where Do We Come From”」(YAU STUDIO/東京、2023)個展「息の緒の通い路」(新屋NINO/秋田、2022)など。

矢﨑舞子キアラ MaikoKiara Yazaki

2001年秋田県生まれ。2024年秋田公立美術大学ものづくりデザイン専攻卒業。陶芸とガラスを学び、土でできた楽器が少ないという気づきから生まれた“土楽器”(どがっき)を制作。さまざまな楽器の演奏経験を活かし、音の出る仕組みや土で表現するための研究と実験を重ねている。

月居凜 Rin Tsukiori

2001年秋田県生まれ。2024年秋田公立美術大学景観デザイン専攻卒業。秋田の景観に存在する「あってもなくてもいいもの」について研究。故郷の秋田県北秋田市阿仁合町に存在する北緯40度線モニュメントに注目した卒業制作《M 0.40》をきっかけに、「北緯40度線」プロジェクトを展開。

後藤那月《胎虚、或いは安息の地で》2024年
矢﨑舞子キアラ《土楽器》2024年
月居凜《M 0.40》2024年

ギャラリートークと土楽器ライブを開催!

展覧会関連イベントとして、アーティストによるギャラリートークと土楽器ライブを7月21日(日)に開催します。作家本人によるトークでは作品の背景や制作過程などをうかがいます。7月27日(土)にも、土楽器ライブを開催予定。お申し込み不要、直接会場にお越しください!
■7月21日(日)
16:00 土楽器演奏によるオープニング
16:00 ギャラリートーク①[大東忍、後藤那月、月居凜]
17:00 ギャラリートーク②[おおだいらまこ、矢﨑舞子キアラ]
17:45 土楽器ライブ[出演:中村邦生、髙橋琴美、早坂葉、矢﨑舞子キアラ]
■7月27日(土)
13:30〜14:30 土楽器ライブ[出演:中村邦生、早坂葉、矢﨑舞子キアラ]

土楽器ライブ

Information

展覧会「漂着する思考 ー新屋浜をめぐる現代作家との対話ー」

「漂着する思考 ー新屋浜をめぐる現代作家との対話ー」チラシ(PDF)
「漂着する思考 ー新屋浜をめぐる現代作家との対話ー」作品リスト、会場MAP(PDF)

■会期|2024年7月20日(土)〜2024年8月4日(日)
     入場無料、休館日7/23(火)・7/30(火)
■会場|秋田市文化創造館 2階[スタジオA1](秋田市千秋明徳町3-16)
■時間|10:00〜18:30
■関連イベント
○7月21日(日)
16:00 土楽器演奏によるオープニング
16:00 ギャラリートーク①[大東忍、後藤那月、月居凜]
17:00 ギャラリートーク②[おおだいらまこ、矢﨑舞子キアラ]
17:45 土楽器ライブ[出演:中村邦生、髙橋琴美、早坂葉、矢﨑舞子キアラ]
○7月27日(土)
13:30〜14:30 土楽器ライブ[出演:中村邦生、早坂葉、矢﨑舞子キアラ]
■主催|公立大学法人秋田公立美術大学、NPO法人アーツセンターあきた(秋田市文化創造館指定管理者)
■企画制作|NPO法人アーツセンターあきた
■キュレーション|高橋ともみ
■ビジュアルデザイン|越後谷洋徳
■インストール|國政サトシ、青木邦仁
■監修|藤浩志
■助成|芸術文化振興基金、公益財団法人三菱UFJ信託地域文化財団
■後援|秋田県、秋田県教育委員会、秋田市、秋田市教育委員会、秋田魁新報社、朝日新聞秋田総局、読売新聞秋田支局、毎日新聞秋田支局、秋田経済新聞、NHK秋田放送局、ABS秋田放送、AKT秋田テレビ、AAB秋田朝日放送、CNA秋田ケーブルテレビ
■お問い合わせ|
NPO法人アーツセンターあきた
TEL.018-888-8137  E-mail info@artscenter-akita.jp

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