生活することを見つめ直す
青山はこれまで、普段生活する中の気付きやこれまでに得た美術教育に対する違和感を元に、絵画を軸に作品を制作してきました。

《いつもよりほんの少しだけ目を凝らして生きている。》
全景写真

インスタレーション作品《いつもよりほんの少しだけ目を凝らして生きている。》(2024年、秋田市)では、秋田市旭南のアパートメントで生活と制作活動を行った経験を作品に起こしました。過去に自分が描いた作品をもう一度描き、過去の自分が抱えていた感情を見つめ直すなど、普段生活する中で見逃しがちな美しさや大切にしたいことを再認識するような空間を作成しました。
内側と外側の世界に目を向ける
布団には始まりと終わりがあると思う。
なぜなら朝起きることと夜寝ること、
その繰り返しで今日や明日、明後日に繋がっていくから。一日中布団の上でぐったりしていた日も。
早朝に飛び起きてベッドメイキングしないまま外に出て行った日も。あらぬ方向に傾いた枕やぐしゃぐしゃになった布団は、
「この一日が無駄じゃなかったよ」と教えてくれる。
11月9日(土)から秋田公立美術大学ギャラリーBIYONG POINTで始まる本展「秋田と眠る。」では、布団と植物をモチーフに、絵画を用いたインスタレーション作品を展示します。
2024年の冬から春にかけて布団にいる時間が長かった青山は、いつしか布団にいる時間や布団に残った痕跡は生きた証なのではないかと考えるようになり、目を閉じた状態で、布団をモチーフに絵を描き始めました。
目を閉じた状態で描くのは、「寝ている状態に限りなく近い身体感覚で布団と向き合いたかったから」で、「布団と向き合うことは、いつしか自身の内側の世界に目を向ける行為になった」と青山は語ります。
同時に、植物をモチーフに油性ペンによる細密画も描き始めました。これは、自身の内側の世界に目を向けた布団と対比して、自身の外側の世界に目を向ける行為となりました。
本展では、布団と植物をモチーフにした2種類の絵画を通じて、目を閉じること(眠ること、死ぬこと)と目を開けること(起きること、 生きること)を行き来するような空間を作り上げます。

2024年度ビヨンセレクション採択企画
本展は、2024年度秋田公立美術大学ビヨンセレクション採択企画です。
ビヨンセレクションとは、2021年よりスタートした秋田公立美術大学の学内公募事業です。個展・グループ展などのBIYONG POINTでの展覧会を通じて、意欲的な学生による日頃の研究・創作の成果を発表します。展示期間中にレビューを受ける機会を設け、作品の撮影記録とともに評論を公開し、学生らの将来の作家活動を視野に入れた支援を行っています。
2024年度は2024年8月〜2025年1月まで、4人の学生が展示を行います。
Profile 作家プロフィール

Information
青山 由佳個展「秋田と眠る。」
▼青山 由佳個展「秋田と眠る。」DM(PDF)
■会期:2024年11月9日(土)〜2024年12月4日(水)
入場無料、会期中無休
■在廊日:11月17日、11月24日、12月1日 いずれも日曜日 11:30-15:00
■会場:秋田公立美術大学ギャラリーBIYONG POINT
(秋田市八橋南1-1-3 CNA秋田ケーブルテレビ社屋内)
■時間:9:00〜17:30
■主催:秋田公立美術大学
■協力:CNA秋田ケーブルテレビ
■企画・制作:NPO法人アーツセンターあきた
■お問い合わせ:NPO法人アーツセンターあきた
TEL.018-888-8137 E-mail bp@artscenter-akita.jp
※2024年度秋田公立美術大学「ビヨンセレクション」採択企画