永沢碧衣展「回遊の記憶 migration」
秋田公立美術大学を卒業した作家・永沢碧衣を特集した展覧会が、8月4日(日)から、秋田駅前の秋田公立美術大学サテライトセンター(フォンテAKITA6階)で始まります。秋田公立美術大学とNPO法人アーツセンターあきたの主催。
永沢は2017年にアーツ&ルーツ専攻を卒業。地元・秋田と東京を季節によって移動し、出会った人とのことつながりから旅をして、制作活動を続けています。
各地を巡りながら筆を走らせ、対象と自分とを掘り下げていく永沢の原点は、幼少の頃から父と通ってきた渓流釣りの風景。
「鮭の生涯に憧れる。遠い海を回遊して、命がけで、ぼろぼろになってまで生まれた川に戻り、命が尽きてからは山の植物の栄養となり、別の命をつなげていく。私もそんなものづくりや生き方がしたい」
そう語る永沢は、回遊するかのように移動して暮らし、制作を続ける現在の自分をどう捉えているのでしょうか。
本展では、秋田公立美術大学卒業制作展にて学長賞を受賞した《淵源回帰》、かみこあにプロジェクトにて滞在制作を行った《露わる者》から最新作まで9点を展示。旅の中で出会った海沿い、山あい、川辺の景色から描き出す、回遊の記憶をたどります。
魚が棲む川底の景色、山あいの自然を体現する生き物の姿などを描き、魅了する永沢の現在の視点をご覧ください。
展覧会期間中の8月12日(月)〜16日(金)は会場にて公開制作を、8月17日(土)には小学生以上を対象としたワークショップを開催予定。
お問い合わせは秋田公立美術大学サテライトセンター(TEL.018-893-6128)まで。
Profile
自分にできる限られた表現方法の中の一つであり、出力手段である”描くこと”を
自分なりに大切にしてきた。
あんなにせかせかと書き溜めていた鉛筆のメモをあまり取らなくなった頃から、
時間や空間や移動距離感や日々の気苦労など・・・全ての垣根を越えて、
あまりにへたっぴな字と言葉の代わりに自分の中身を外に出そうと筆と指先が自然に動いてくれるようになった。
実際にそこに自分が居合わせていたという実感。
そして心と身体を何度も巡って、蓄積され、本当に残ったわずかな記憶。
確かな記憶や存在の痕跡を残そうと、重たい手足を引きずり回しながら、
遊びながら、描きながら、
これからも旅を続けていく。
(永沢碧衣)
Information
永沢碧衣展「回遊の記憶 migration」
チラシダウンロード(PDF)
◼︎会 期 2019年8月4日(日)〜9月7日(土)10:00〜18:50 ※会期中無休
◼︎観覧料 無料
◼︎会 場 秋田公立美術大学サテライトセンター(秋田市中通2-8-1 フォンテAKITA6階)
◼︎主 催 秋田公立美術大学、NPO法人アーツセンターあきた
◼︎デザイン 越後谷洋徳
◆公開制作 Facebookイベントページはこちら
8月12日(月)12:00〜17:00
8月13日(火)14:00〜18:30
8月14日(水)14:00〜17:00
8月15日(木)お休み
8月16日(金)15:00〜18:30
8月17日(土)9:00〜13:00(10:00〜12:00ワークショップ)
◆ワークショップ(要申込)
8月17日(土)10:00〜12:00
対象:小学生以上 定員:15名 参加費:1,000円
ひと夏の思い出に残ったモノをご持参ください。思い出を観察し、記憶を巡り、紙と筆と絵の具を使って大切な記憶をかたちにします。感覚の体操のような時間をお楽しみください。事前にお申し込みください。