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ベネチア・ビエンナーレ国際美術展日本館展示キュレーターに服部浩之准教授が決定

国際交流基金は6月7日、2019年5月から始まる第58回ベネチア・ビエンナーレ国際美術展の日本館キュレーターに秋田公立美術大学大学院複合芸術研究科及び美術学部アーツ&ルーツ専攻の服部浩之准教授を選出したと発表しました。

ベネチア・ビエンナーレ国際美術展に服部准教授と石倉准教授が決定

国際交流基金は6月7日、2019年5月から始まる第58回ベネチア・ビエンナーレ国際美術展の日本館キュレーターに、秋田公立美術大学大学院複合芸術研究科及び美術学部アーツ&ルーツ専攻の服部浩之准教授を選出したと発表しました。また、同専攻の石倉敏明准教授がプロジェクトの一員として参加します。発表を受けて6月8日、秋田公立美術大学において記者発表が行われました。

ベネチア・ビエンナーレは2年に1度、イタリア・ベネチア市を会場に開催される国際美術展です。1895年の開催以来、123年の歴史を数えます。国別参加方式をとる同美術展において、日本は1952年より公式参加し、キュレーターは指名コンペ方式によって選出されてきました。

服部准教授がキュレーションする「Cosmo-Eggs|宇宙の卵」は、アーティスト、作曲家、人類学者、建築家、そしてキュレーターがコレクティブを形成し、人の存在や行為と地球に流れる時間の関係を考えるプロジェクト。大津波で海底から陸上に運ばれた「津波石」を軸として企画されました。

アーティストの下道基行氏が2015年、沖縄・八重山諸島で出会った「津波石」を起点とし、地球に流れる長い時間、自然の力を改めて考え、生態系の一部として人間がいかにこの世界で非人間と共存していくことができるか、静かに考える場を築く展覧会となります。

【第58回ベネチア・ビエンナーレ国際美術展】
会期:2019年5月11日(土)~2019年11月24日(日)
主催:ベネチア・ビエンナーレ財団
ウェブサイト(英語)

Profile プロフィール

服部 浩之(はっとりひろゆき)

インディペンデント・キュレーター。1978年生まれ。2006年早稲田大学大学院修了(建築学)。2009年-2016年青森公立大学国際芸術センター青森[ACAC]学芸員。アジア圏を中心に、展覧会やプロジェクト、リサーチ活動を展開する。ACACでは、Nadegata Instant Partyによる「24 OUR TELEVISION」(2010年)や、藤井光をディレクターに迎えAHA! [Achives for Human Activities!/人類の営みのためのアーカイブ]とも協働した青森市所蔵作品展「歴史の構築は無名のものたちの記憶に捧げられる」(2015年)など、滞在制作を軸としたアーティストとのプロジェクトを多数実践。近年の共同企画に、「十和田奥入瀬芸術祭—SURVIVE:この惑星の、時間旅行へ」(十和田市現代美術館、奥入瀬エリア|2013年)、「あいちトリエンナーレ2016—虹のキャラバンサライ」(愛知県美術館ほか|2016年)、「アッセンブリッジ・ナゴヤ」(港まちポットラックビルほか|2016年〜)、「ESCAPE from the SEA」(マレーシア国立美術館、APWほか|2017年)などがある。

Profile プロフィール

石倉 敏明 いしくらとしあき

人類学者/神話学者。多摩美術大学芸術人類学研究所助手を経て、2011年より明治大学野生の科学研究所研究員。1997年よりダージリン、シッキム、カトマンドゥ、東北日本各地で「山の神」神話調査をおこなう。環太平洋の比較神話学や芸術人類学の研究に基づき、神話集、論考等を発表。共著・編著に『Lexicon現代人類学』『野生めぐり 列島神話の源流をめぐる12の旅』『人と動物の人類学』『道具の足跡』高木正勝によるCD作品とのコラボレーションに『タイ・レイ・タイ・リオ紬記』(神話集)など。
キュレーターの服部浩之准教授(左から2人目)、人類学者の石倉敏明准教授(左から3人目)

Writer この記事を書いた人

アーツセンターあきた

高橋ともみ

秋田県生まれ。博物館・新聞社・制作会社等に勤務後、フリーランス。取材・編集・執筆をしながら秋田でのんびり暮らす。2016年秋田県立美術館学芸員、2018年からアーツセンターあきたで秋田公立美術大学関連の展覧会企画、編集・広報を担当。ももさだ界隈で引き取った猫と暮らしています。

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