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【民具ラボ】油谷さんと話す会(7月)開催レポート

民具とアートとアーカイブの研究所(民具ラボ)は、収集家の油谷満夫さんにお話を聞く「油谷さんと話す会」を毎月開催しています。7月は「人形」をテーマに開催しました。

民具とアートとアーカイブの研究所(民具ラボ)の活動の一環として、収集家の油谷満夫さんにお話を聞く「油谷さんと話す会」を月1回(第1または第2金曜日)開催しています。毎月異なるテーマを設け、油谷さんが持参されたテーマにまつわる資料を囲みながら、資料や油谷さんの収集活動などについて、ざっくばらんにお話を伺うサロン形式で進行します。

7月のテーマは、前回参加者から提案のあった「人形」。
「何をもってくるか選ぶのに難儀した」と油谷さんは仰りながら、江戸時代と思われる押し絵の人形やその型紙から、大量のこけし、お土産品の木彫りの人形の数々に、スーパーヒーローやアイドル、スポーツ選手、漫画のキャラクターをモチーフにした現代の人形など、サイズも素材もさまざまなものをお持ちいただきました。

人形を納める箱も、100円均一で買い求めたプラケースから、菓子箱、段ボール箱に、仕出し屋で使われていたのではと思われる塗りの木箱など。油谷さんの整理術も目を引きます。

肝心のお話しは、スタートからテーマの「人形」を離れて、農民や庶民の暮らしや、それを統率しようとする中央政府の制度や仕組みについて。その後、参加者の質問に促されて、こけしの産地や職人の暮らしぶり、時代別のこけしの見分け方、お土産品として流通しはじめた経緯など、「人形」から派生して多岐にわたるトピックについてお話を伺うことができました。

1時間半の間に油谷さんが話されたトピックを書き起こしてみました

次回の開催は8月8日(金)。恒例となりつつある、油谷さんの倉庫から持ち出した品々の分類整理活動と同時開催で行います。
テーマは少し趣向を変えて、「油谷満夫の61歳からの人生年表をつくる」。かつて油谷さんは、生まれてから60歳までの人生年表をノートに書き残されています。その後忙しくてまとめられていなかったという、61歳から今日までの30年間の人生年表を、油谷さんが書き残されたノートや集めた物、油谷さんのお話しから紐解き、集まった方々とまとめる作業を行う計画です。

油谷満夫 0歳から60歳までの人生年表


油谷さんと話す会は、どなたでも参加可能(参加無料)です。油谷さんが集めた資料をみて見たい方、油谷さんのお話を聞いてみたい方、コミュニティ・アーカイブに関心のある方など、多くの方のご参加をお待ちしています。

Information

油谷さんと話す会

油谷満夫さんを講師に招き、油谷さんが集めた物を見ながら、油谷さんのお話を聞く会を開催します。参加者は、油谷さんのお話を聞くとともに、それぞれが得意とする手法(絵、テキスト、動画等)を用いて記録します。記録した媒体は、オンライン上のプラットフォームに格納し、一般にも公開できるよう準備を進めます。

●日時・テーマ
5月9日(金)「万国博覧会(万博)」
6月13日(金)「北前船」
7月11日(金)「人形」
8月8日(金)「油谷満夫 60歳からの人生年表をつくる」
9月5日(金)、10月3日(金)、11月7日(金)、12月5日(金)、2026年1月9日(金)、2月6日(金)18:30~20:00
●会場
秋田市文化創造館(秋田市千秋明徳町3-16)
●主催
NPO法人アーツセンターあきた
 
※Instagram https://www.instagram.com/aburaya.aca/
※Facebookグループ https://www.facebook.com/groups/907100654833959/

Writer この記事を書いた人

アーツセンターあきた 事務局長

三富章恵

静岡県生まれ。名古屋大学大学院国際開発研究科修了。2006年より、独立行政法人国際交流基金に勤務し、東京およびマニラ(フィリピン)において青少年交流や芸術文化交流、日本語教育の普及事業等に従事。
東日本大震災で被災経験をもつ青少年や児童養護施設に暮らす高校生のリーダーシップ研修や奨学事業を行う一般財団法人教育支援グローバル基金での勤務を経て、2018年4月より現職。

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