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こどもアートLab「NEOびじゅつじゅんびしつ」で
クリエイティブな冒険をしよう!
秋田公立美術大学が主催する「こどもアートLab」は、こどもたちの自由な発想を引き出す創造のプラットフォームとして、主に秋田公立美術大学サテライトセンターを会場に2019年度から開催しています。「たくさんの新しい発見と、あふれる発想に出会いたい」という思いから、教員や卒業生、秋田県内外で面白い活動をしている人をLabリーダーに迎え、2020年度も幅広い内容で活動しました。
▼こどもアートLab2020 関連記事はこちら
レポート① オンラインで一緒に描いて遊んだよ!「どうじにドット オンライン」
レポート② 「NEOびじゅつじゅんびしつ」クリエイティブな冒険で夢にチャレンジ!
レポート③ 映像制作ワークショップ「からだでアニメーションをうごかそう」
レポート④ 「こどもミュージックLab」耳を澄まして、音を探してセッションしよう♪
「NEOびじゅつじゅんびしつ」は、こどもたちの夢に仲間と一緒に挑戦するプロジェクトです。Labリーダーは、柚木恵介さん。これまで神奈川県鎌倉市と長野県上田市を舞台に、こどもたちが自ら多様な個性と関わりながらモノやコトをつくり出す活動を展開してきました。
「学びの場を学校だけでなく学校の外に広げ、自分たちの考えで行動し、創造できる力を」と語る柚木さんによる「NEOびじゅつじゅんびしつ」には、大人が与える課題はありません。子どもたちが挑戦する夢が、必ず達成するわけでもありません。スタッフが積極的に手を差し伸べることもありません。あくまでも子どもたち自らが考え、アイデアや工夫で困難を乗り越えていく、そのクリエイティビティを引き出すことを目的としています。
▼カマクラ図工室HP https://kamazu.work/
「夢」を実現する2つのプロジェクトチーム結成!
「1人では無理そう」「どうやったらいいかわからない」「こんなこと言ったら変かな?」そんな小学生の夢に挑戦して、クリエイティブな冒険をしながら夢をかなえる「NEOびじゅつじゅんびしつ」では、2020年夏、小学生から夢を募集しました。たくさんの夢の提案のなかから厳正なる審査の結果、2020年度はこの2つに決定しました!
・プロジェクトA「大きな楽しいひみつきちを作りたい」
・プロジェクトB「手づくりの仕かけで大物を釣り上げたい」
夢を一緒に実現したいメンバーも募集して、プロジェクトチームを結成! どんな冒険が始まるのかな? 夢の実現へと向かうこどもたち10人の奮闘を温かな眼差しで見守った見守り師を代表して、こどもアートLab有馬寛子(NPO法人アーツセンターあきた)がレポートします!
プロジェクト実現に向けて作戦会議!
日 時:10/24(土)10:30-16:30
集合場所:秋田公立美術大学サテライトセンター(フォンテAKITA6階)
プロジェクトメンバーによる作戦会議の日がやってきました! 保護者の付き添いは受付まで。後はこどもたちだけで作戦会議の場所へ向かいます。
プロジェクトを進める前にLabリーダーの柚木さんと見守り師を紹介しました。見守り師は文字通り見守るだけ。どうやってひみつきちをつくるのか、どうやって大物を釣り上げるのかは何も教えません。メンバー同士で簡単な自己紹介をした後、作戦会議がそれぞれスタートしました!
【プロジェクトA】
楽しいひみつきちってなんだろう?
プロジェクトメンバーは、夢の提案者であるりんだ、CoCo、まっち、はやと、レモホンの5人。見守り師が見守る中、どんなひみつきちにするかを早速話し始めました。
大きさはメンバーみんなが入れるくらい、森の中、ツリーハウスにしてブランコがあるとか、ハンモックがあるといいかなとか。ひみつきちの中には遊び場やお菓子の棚があって…と、アイディアがどんどん出てきます。
ひみつきちを作るには、一体何が必要なのか。そしていくらかかるのかを考えます。
【プロジェクトB】
大物ってどのくらい?どこで釣れる?
プロジェクトメンバーは、夢の提案者のれんたろう、いっけい、きょうすけ、たいが、そうの5人。
見守り師が見守る中、まずは夢の実現に必要だと思って持ってきたものを広げ、見せ合いました。魚の図鑑の山に囲まれながら、大物を釣り上げるために何が必要か、リストアップしています。
どうやって釣るか?何を釣るか?
そもそも大物って、何センチ以上?
そんな検討を繰り返す中で、なんと「船釣り」というキーワードが出てきました。どうやったら船釣りができるでしょう?釣り船の値段を聞き出すため、ある場所へ向かいます。
【プロジェクトA】
ひみつきちにくわしい「ふじさん」に聞きにいく
話を進めていくうちに、ひみつきちに詳しい「ふじさん」という人の情報を得ました。柚木さんに地図を描いてもらい、その人のおうちまで徒歩(駆け足)で向かいました。駆け足というか、猛ダッシュ! 大人の見守り師たちも必死で付いていきます。
地図を見て道順を指示する子、みんな付いてきているか確認する子、ひたすら進む子。道に迷いつつ、地図を見たり、みんなで話し合って向かいます。
ようやくみんなで、ある場所にたどり着いたようです。
【プロジェクトB】
これ、どうやって使うの?
プロジェクトAがふじさんの家に向かった頃、プロジェクトBの5人は…
「釣り船の値段が分からない。」
「お母さんに聞こう!」
「お母さんの電話番号が分からない」
「俺のお母さんから、お前のお母さんの番号聞こう」
ということで、釣り船の値段を知るために伝言ゲームのようなやりとりが始まりました。実は、公衆電話を使うのはみんな生まれて初めて。お金を入れても、なぜかすぐ出てきてしまいます。
「なんでだ?」
「受話器外してみようぜ」
「ボタン押しても番号が出てこない!」
なんどもやり直しているうちに使い方が分かってきました。ようやく電話ができたのもつかの間、会話途中でプツッと切れてしまい、またパニック! 入れたお金で通話時間が限られていることも初めて経験します。
そんなことを繰り返しているうちに、なんとか船の料金を聞き出すことに成功しました!が、「3000円くらい」という情報を得たものの、一人当たりなのか全員分なのかが分からず。それを知るために再度公衆電話に向かいました。しかも電話番号が書かれたメモは忘れたまま…。
【プロジェクトA】
探検しながら考える
プロジェクトBが悪戦苦闘しているころ、Aチームの5人は「ふじさん」の家に到着しました。家の中にあったのは…おもちゃでつくられたきょうりゅう??かぶることもできるようです。
ふじさんの家を探検して、自分たちが実現したいひみつきちのイメージを膨らませていきます。最終的には、ひみつきちを作る場所は秋田市新屋にある一軒家のアラヤイチノに決定! それぞれひみつきちを作るために必要なものを考えて、当日持ってくることになりました。
【プロジェクトB】
魚のプロに聞いてみる?
大物を釣り上げたい5人は、釣り船情報を聞くために市民市場へ行くことに。どこにあるか分からないため、道行く方々に聞いています。そして、なんとか無事到着して聞き込み開始。市場に来ていたお客さんから、この季節の海は荒れているから船釣りはやめた方がいいと言われ、あっさり岸壁釣りへ作戦変更。場所は秋田港に決めました。仕かけを作ったり、釣り竿やクーラーボックスを用意するなど大物を釣るための準備をして臨むことになりました。
プロジェクトA、プロジェクトBともに作戦会議が終了!それぞれ役割を分担して、夢の実現日まで準備を進めることになりました。
第1日目、いよいよ夢に挑戦!
日 時:11月7日(土)9:30-16:00
集合場所:にぎわい交流館AU
【プロジェクトA】
ひみつきち予定地まで行けるか?
さあ、いよいよ夢に挑戦する第1日目です。みんなでひみつきちを作るチームの5人が、2週間ぶりに顔を合わせました。
ひみつきちをつくるためにメンバーが持ってきたのは、絵の具、かなづち、紐、いらなくなったシーツ、クッション、お布団(!?)、忘れちゃいけないおやつ。そしてなんと、ひみつきちのイラストの缶バッチを作ってきてくれたメンバーまで!
持ってきたおやつを食べながら、どんなひみつきちにするか話し合い、実際に現地に行ってみることなりました。
ひみつきちをつくる場所の最寄り駅は新屋駅。いちばん早いのは秋田駅発10:01です。にぎわい交流館AUを9:50にダッシュで出発しますが…電車には間に合わず、でも大丈夫。買った切符は返金してバスへと変更。CoCoはバスの時刻表や乗り場まで調べてきている徹底ぶりです。10:15発の新屋線に乗ることに。レモホンは新屋育ちなので、イチノの場所がわかるとのこと。他の3人も付いていきます。
【プロジェクトA】
アラヤイチノに到着!
ひみつきちチームは、バスに乗って終点で降車。新屋に詳しいらしいレモホンを頼りにして、なんとかアラヤイチノに到着しました。アラヤイチノの室内を探検しつつ、どんなふうに飾り付けるか考えています。
さっそく飾り付けから開始!どうやら布をデザインして仕切りにする模様。男子チームはなんと!はやとが工具を持ってきていたようで、本格的な作業が始まりました。木でできた何かを一旦解体して組み立て直すようです。まっちは布に絵を描いて、CoCoとりんだは紐でリボンを作って飾り付け。大きな看板もできあがりました。着々と制作が続いています。一方、はやととレモホンは木材の解体を進めています。
木を使って何ができる?
休憩で気持ちを新たにしたところで、午後の作業開始です。どうやら男子が始めに解体していた木を、女の子たちはベッドに使いたいよう。男の子たちは急かされてまた組み立て直します。なかなかうまくいかず、やっとひとつ完成です。気づけば布団を並べて…
え?寝ちゃうの?
布団で寝たかと思いきや、かくれんぼをし始めたひみつきちチーム。夢中で遊ぶうちに、頑張って作ったベッドの土台が壊れてしまいました。そこで、イチノにあったテーブルを使って更に頑丈なベッドに作り直します。
女の子たちは盛り返してCoCoを中心にベッドを天蓋付きに改造!
男子2人は先程の再組み立てにより、燃え尽きてしまったようです。
みんなでひみつきちの寝ごこちを確かめていると、そろそろもう帰る時間です。
帰りのバスはもうすぐ
余裕を持って出たはずが、CoCoのお金が入った上着がないと気づいて逆戻り。実はバッグの中に入っていて無事でしたが、バスはぎりぎり….滑り込みセーフ!!!
初日を終えて、帰り道の5人の後ろ姿は、なんだか頼もしく見えました。
さて、プロジェクトB「手づくりの仕かけで大物を釣り上げたい」の5人は、どうなっているでしょうか・・?
【プロジェクトB】
バス停には来たものの、いま何時?
手づくりの仕かけで大物を釣り上げるプロジェクトB。2週間かけて準備してきた仕かけや竿などを小さな背中に背負い込んだ5人、いざ出発です!
予定していたバスに乗れそうですが、今が何時なのかが分からない…。誰も時計を持ってきていません。なので、勘で行きます。時間が分からないので、来たバスによって時刻を知りました。
ついにセリオン行きのバスがやってきて無事乗車。5人は魚の待つ秋田港へ移動します。やっと到着して料金を支払おうとしますが、運賃箱にお金を入れたと思ったら両替の方に入れていて、運転手さんに指導を受けています。車文化の秋田らしいトラブルですね…。ついにセリオンへ到着し、準備に取り掛かります。幸い、雨は上がりました! さあ始まります!
【プロジェクトB】
協力しあって大物を狙え!
秋田港に到着した5人は、自作、他作、思い思いの仕掛けを用意してきていました。釣りが得意な5年生が6年生を指導したり、お互いに教えあっています。
みんなで竿を垂らします。
たいがは、炊いたごはんを餌用に持ってきたようです。しばらくすると、さっそくヒット!! 魚に詳しいれんたろうに聞くと、釣れたのはヒイラギだそう。マダイも釣れましたが、小さかったのでリリース。ヒットは続きますが、ヒイラギばかり釣れます。「狙いはもっとデカイ魚だ!」とのこと。
大物か!?
と思って興奮したものの、釣れたのはただの細紐ロープ。取れずに絡まってしまった紐を、通りがかった方に助けてもらいました。そして、人生初の釣りで、人生初の鯛を釣ったメンバーも!
お昼休憩を挟んで、大物釣りは続きます。が、パタリとアタリがなくなってしまいました。そこで、周りの人へ聞き込みをしているようです。
最後のバスは突然に
余裕をかましていますが、帰りのバスが来るまであと15分。このままいくと乗り過ごすのでは…。バスが来てパニックになりながらも荷物やゴミを掻き集めてなんとか間に合いました。
バス停に居合わせた方に釣果を見せている様子。大魚は釣れなかった1日目ですが、空はキレイなウロコ雲(まさか、大魚とはこのこと!?)
無事、帰路に着いたと思いきや…財布を落としたメンバーがいて、仲間からお金を借りたようです。クタクタになっていろいろなものを落としながら歩くのでした。
秋田駅に着くも、駅からにぎわい交流館AUまでの行き方がわからず、地図を見て、あらぬ方向へ歩き出す5人。16:00を少し過ぎましたが、無事AUへ帰ってくることができました。これにて、1日目は無事終了です。
明日は、集合時間を自分たちで7:15と決めました。見守りスタッフも、おうちの人も、5人の決断を受け入れます。
果たして、大物は釣れるのか!?
第2日目、夢実現!?
日 時:11月8日(日)7:15-16:00
集合場所:プロジェクトA/秋田駅前芝生広場、プロジェクトB/にぎわい交流館AU
【プロジェクトA】
きのうの5人とはひと味違う!
夢実現に向けたプロジェクト最終日。ひみつきちチームは秋田駅前の芝生広場に集合です。集合時刻は9:30ですが、見守りスタッフよりも早く9:00前からCoCoが来ていました。マジの一番乗りです。
その後、続々とメンバーが集まってきます。今日は無事に電車に乗れるでしょうか…?
いよいよスタートです!
みんなで決めた約束通り、電車出発の30分前に全員集合。切符も昨日一度買っているのでスムーズに購入できました。
まっちは「時間はまだある」と言って、駅弁のガチャガチャを回す余裕っぷり。CoCoとまっちは「今日はイスを作りたい」「絵を描きたい」などいろいろ考えてきたみたい。
時間になり意気揚々と改札を通るも、はやとは切符を取り忘れ、引っかかります。駅員さんが出てきて、少し慌てましたが改札は無事に通過。
その後、CoCoの先導で間違えずに3番線に到着しました。乗車前、アラヤイチノの鍵を誰が持つかじゃんけん。結果、まっちが鍵を持つことに。忘れないでねー!!
15分前には電車に乗り込み、発車を待つ!!男の子はさっそく何を持ってきたかを見せ合いっこしてます。まっちはガチャガチャをお披露目。
ひみつきちチーム、本日の運命やいかに!
2日目は、お披露目に向けて!
新屋駅に無事到着しました。レモホンが手すりに傘を引っ掛けたまま、また忘れるかなーと見ていましたが、はやとが持っていってくれました。昨日通った道。近道しながら向かいます。アラヤイチノへ難なく到着!持参した時計で2時半にアラームをセットして、お披露目前に掃除することも考えています。
CoCoは壁(布の仕切り)に流れ星をたくさん描き足していきます。レモホンとはやとは、昨日失敗した解体作業をリベンジ中。
報告会でお客様が来る前に、5人はお菓子パーティーを13時から始めたい様子。まだ11時前ですが、盛り付け始まっています。テーブル占領しちゃってますが、お昼はどこで食べるんですかー! 男の子は解体した木でイスを作りたいようですが…今は寝袋でイモムシになっています。
はやととレモホン渾身のイスは、ガムテープでくっつけて出来上がったようで、全体的に完成したのかな? のんびりお菓子をつまみながら遊んだり、ちまちまと作業を続けたりしています。何気にはやとの寝袋、大人気です。そして早めのお昼タイム。のんびりとした時間が流れるひみつきちチーム。
さらに居心地のよい空間へ
ご飯を食べて、ベッドでひとしきり騒いだ後、CoCoはベッドの天蓋を更に高くしてみました。レモホンとはやとはイスに背もたれと手すりをつけ、更に改良し、渾身のイスが完成!! …かと思いきや、全員でお菓子会議を始め、持ってきたお菓子を釣りチームにも分けるかどうか話し合ってます。
「余ったらあげる」「みんなで食べよう」「自分たちで食べたい」などの意見が飛び交う検討会。それをおやつ食べながら話します。今お昼ご飯食べたところだよね…。
ちなみに今日のおやつには、りんだ手作りのパイが! クリームチーズとあんこ入りだそうで、そのお味は、あんこ嫌いのまっちも食べられるほどとのこと。いいなぁ。
そして、かくれんぼが始まりました。
もうすぐ報告会
さて、報告会の時刻が近づいてきました。
お父さんやお母さん、釣りチームが来たらどうやって案内する?
靴出しっぱなしじゃん!
お菓子落ちてる!
荷物はキッチンに隠そう!
ベッド作り直すよ!
掃除機かけて!
藤さんとまるゆさん(柚木さん)は特等席にしよっ!
CoCoがビシビシ仕切って、片付けが始まりました!マッチも片付けを手伝います。かたわらでまだまだ遊びたいりんだとはやととレモホン。ベッドメイクを念入りにし、靴はピシッと並べました。
だいぶ片付いたのですが、再び追いかけっこが始まりました。ちなみに荷物は全てキッチンに詰め込んでます…。
「お父さんたちどこに座るの?」との問いに、「みんな正座。藤さんとまるゆさん(柚木さん)はイス」とのこと。左のイスが藤さん、右の力作のイスはまるゆさんの席だそうです。
【プロジェクトB】
7:15だよ、全員集合!
いよいよ大物を釣り上げる夢実現に向けたプロジェクト最終日。早朝7:15集合。遅刻者は…いません! みんなやる気満々です。昨日の反省から、時計やイスなどをそれぞれが持ってきています。
やがてバスが到着し、乗車。昨日から学習し、バス運賃も難なく支払います。さらには全員、運転手さんに感謝を述べている!すごい成長!
昨日財布を落とした彼は、目の前で500円を落とし、水筒を落としていますがちゃんと気が付いて拾っていました。
いよいよ釣りをスタート!
次々とキスなどの魚が釣れますが、どれも小物ばかり。膠着状態が続きます。大物と言える魚はまだ釣れません。
針に餌を大量に付ける作戦も失敗。
そうこうする間に、小雨が降ってきました。自分たちで持ってきたカサを使って雨宿りをしています。こちらも、ひみつきち…?
突如、大雨が降ってきて釣り中断! おまけに急な突風が彼らを襲います。あっという間に荷物が飛ばされて傘や仕掛けが海に沈んでいきました…!! 自然の力になす術はありません。
まだ、あきらめない。そして…
さっきのスコールが嘘のように晴れています。みんな道具を片付けたものの、彼だけは執念で釣りを続けましたが結局、大魚は釣れず…。
荷物を片付けつつ、釣り人のおじさんに話しかけたら、なんとチヌをいただくことに!!
え?いいの!?ありがとう!
大魚(当社比)をゲット!!
ちなみに、バスの時間まであと約30分。彼らは全く気が付いていません。
財布は無事にセリオンへ届けられていたようですが、落とした彼は、財布を受け取りにいくことすら頭になく「あー暇だな〜」とか言っています。
バスの発車時刻は、刻一刻と迫ってきています、が…
最後の最後で、協調性がない様子。さあ間に合うでしょうか…
ひみつきちまでたどり着けるか?
ギリギリまで釣りを続けていたことにより、片付けに手間取っています。(予想通り)
自分の片付けを済ませて先に行こうとするメンバーを呼び戻し、最後は一緒にバスへダッシュ! なんとかギリギリ間に合いましたが、「自分さえ良ければいいのか?」と見守り師から教育的指導を受けるのでした。バスに乗った彼らはもう、くたくた。
秋田港から秋田駅へ到着。このあと、報告会の会場でもあるひみつきちチームのいる新屋の「シークレットハウス」へ向かいます。30分待って、ようやくバスがやってきました。
が、見事にスルー。
なぜ…!!
それに気づき、慌てる5人。同じ新屋に向かうおばあちゃんが目の前にいて、あと6分で新屋西線のバスが来るにも関わらず、電車に乗ろうと急いで駅へ向かいます。さっさと切符を買った4人は、4年生一人を置いて改札を入ってしまいました。慌てて追いかけたので改札口から切符を取らず、駅員の呼びかけも届かない様子。仲間たちはホームに降りてしまったようで誰もいません。
はぐれてしまった彼はおもむろに湯沢、弘前方面ホームへ!! 弘前へ行きかけましたが、やはりおかしいと判断して改札へ戻り、仲間となんとか合流できました。無事に新屋駅で降り、偶然居合わせた美大生にアラヤイチノの場所を聞き出して、ついに秘密基地へ到着〜!
報告会
親御さんとお世話になった方々をひみつきちにお迎えし、プロジェクトA・B合同で活動発表会を行いました。どう発表するかも、見守り師は指示しません。途中、何度も笑いが起こって、みな無事に発表することができました。自分たちの力で活動してきたメンバーは、なんだか自信に満ち溢れているようです。
報告会後、柚木さんからメッセージをいただきました。
「私たち見守り師の大人たちが、本当に手助けをしなかったことに、最初は驚いたかもしれません。でも、みんなすぐに慣れて、初めて体験することも力を合わせて突破することができました。分からないことは街の人に聞いてここにたどり着くことができたし、こうして人々を楽しませることもできました。
大事なのは、失敗するか成功するかの答えの部分よりも、どうしたらいいかを自分たちだけで考えることや、たくさん工夫をすることです。こうした経験を、みんなにたくさんして欲しいと思い、こういう企画を作りました。
失敗を恐れてチャレンジしないのではなく、『できるかどうか分からないけれどやってみよう!』という精神を持ち帰ってもらえたらと思います。」
子どもたちが工夫して行動していく姿を見守りながら、この姿勢は子どもだけでなく、子ども時代を通過した私たちにも大切な姿勢なのだと気付かされました。参加者の保護者の方からも「私もこんなプロジェクトをやってみたい」という嬉しい言葉もいただきました。
子どもだからこそできること、と思われがちですが、少し勇気を出したらおとなの私たちにもできることかもしれません。
今回の夢実現プロジェクトはここでひとまず終了ですが、「できるかどうか分からないけれどやってみよう!」という精神を持ち帰ったみなさんの今後をこれからも応援しています。
見守り師代表 有馬寛子(NPO法人アーツセンターあきた)