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三上真穂×西尾葉月 「洞然/インサイダー・アーティスト」開催!

秋田公立美術大学ギャラリーBIYONG POINTで6月11日(金)から、秋田公立美術大学を2021年3月に卒業した三上真穂×西尾葉月による絵画と映像の展覧会「洞然/インサイダー・アーティスト」が始まります。

秋田公立美術大学ギャラリーBIYONG POINT(CNA秋田ケーブルテレビ社屋内)で2021年6月11日(金)〜8月29日(日)、卒業生の三上真穂と西尾葉月による展覧会「洞然/インサイダー・アーティスト」が開かれます。秋田公立美術大学主催、CNA秋田ケーブルテレビ協力、NPO法人アーツセンターあきた企画・制作。

作品は、どこから生まれるのかー。

2021年3月に秋田公立美術大学ビジュアルアーツ専攻を卒業した三上真穂と西尾葉月による「洞然/インサイダー・アーティスト」。三上の絵画と西尾の映像によって構成される本展は、作品を完成させるまでの試行錯誤や心の移ろいといった作家の制作過程に寄り添う展覧会です。

三上は幼少の頃から、場面緘黙症と向き合ってきました。コミュニケーションを取りたくても意思に反して体が強ばり、言葉を連ねることができない…そんな困難と共に生活する中で、絵を描くことで言葉にできない思いを表出してきました。一方、西尾は写真や映像を媒体として、被写体の奥に潜む物語を引き出す作品に取り組んできました。対象と丁寧に対話することで、深い陰影や奥行きを重ね合わせる表現を試みています。そんな二人が秋田で出会い、半年間に渡る並走によって見えてきたものとはーー。

卒業制作として長い構想と取材を経て完成した三上による絵画作品《洞然》。その制作過程から思考の揺らぎまでを密着した西尾によるドキュメンタリー映像《インサイダー・アーティスト》が、ひとつの会場で正対します。

《洞然(どうぜん)》 油絵具/キャンバス(綿布)、木製パネル

この作品のテーマは「自覚的なプロセスの視覚化」です。絵を描く行為を通して内省し、押さえ込み重くなった感情や考えを解放し、俯瞰して見ることで、自分を不自由にする思考のループから抜け出し、心を軽くする。これによって、洞然とした無限の創造性としての意識に立ち帰ることが出来ると考えています。自分自身を善悪、美醜の判断なく全てを吸い込み受け入れる画面を作ることで、鑑賞者にも包み込まれる体験を味わってもらうことを願います。(三上真穂)

《インサイダー・アーティスト》 映像作品

この作品は美大生を撮影対象にしたドキュメンタリー映像で、中でも同専攻の三上真穂さんを対象に制作したものです。彼女にフォーカスを当てた理由は、彼女が自身の内面を作品制作を通して実体化させている姿に魅力を感じたからです。彼女の、成果物を見ただけではわからない、作品への姿勢やその時々の感情を視覚化することを目標に、撮影・編集を行いました。(西尾葉月)

Profile

三上 真穂 Mikami Maho

青森県八戸市出身。2021年秋田公立美術大学ビジュアルアーツ専攻卒業。

Profile

西尾 葉月 Nishio Hazuki

北海道岩内郡出身。2021年秋田公立美術大学ビジュアルアーツ専攻卒業。卒業制作の映像作品《インサイダー・アーティスト》でCNA秋田ケーブルテレビ特別賞受賞。

Information

三上真穂×西尾葉月「洞然/インサイダー・アーティスト」

■会 期:2021年6月11日(金)〜8月29日(日) 9:00〜18:00
      ※休館日8月13日〜15日
■会 場:秋田公立美術大学ギャラリーBIYONG POINT(ビヨンポイント)
    (秋田市八橋南1-1-3 CNA秋田ケーブルテレビ社屋内)
■入場無料
■主 催:秋田公立美術大学
■協 力:CNA秋田ケーブルテレビ
■企画・制作:NPO法人アーツセンターあきた
■グラフィックデザイン:木村優希(むすぶ企画室)
※新型コロナウイルスの感染拡大状況等により、展覧会の開催期間や内容等が変更になる可能性があります。

チラシダウンロード
BIYONG POINT Facebookページ

Writer この記事を書いた人

アーツセンターあきた

高橋ともみ

秋田県生まれ。博物館・新聞社・制作会社等に勤務後、フリーランス。取材・編集・執筆をしながら秋田でのんびり暮らす。2016年秋田県立美術館学芸員、2018年からアーツセンターあきたで秋田公立美術大学関連の展覧会企画、編集・広報を担当。ももさだ界隈で引き取った猫と暮らしています。

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