2023年は、アーツセンターあきたや秋田市文化創造館の取組みを紹介する機会をたくさんいただきました。3月は別府、10月には横浜と浜松、11月には取手と秋田で、12月には再び横浜と武蔵野に京都。 それだけ注目をいただけるようになったことに感謝しつつも、「うちなんて、大したことないです」と謙遜の気持ちが強まるばかり。12月17日に開催されたArtpoint Meeting #14「わたしたちの“拠点”をつくる:ひらきかたとつづけかた」では、秋田市文化創造館の話をしていくうちに、「あれ、とても立派なところだと誤解されていないか」と突如不安に襲われ、慌てて「課題山積です!」と思わず訂正する場面も。
アーツセンターあきたという組織や秋田市文化創造館という施設のはじまりは、明確なビジョンとビジネスプランがあり、それに共感する情熱溢れるメンバーが集まるスタートアップ企業のそれとは少し異なります。「秋田公立美術大学の社会連携事業をやる」、「旧県立美術館をつかって文化創造の拠点をつくる」という具合に、やることが先に決まっていて、それをどうやるかを考え、やるための人材を集めてきたというのが実態に近い。その「やること」についても明確に仕様として定まっていたわけではなく、やりながら固めていく、状況に応じて更新していくということを継続しています。 秋田市文化創造館の次期の指定管理者候補に無事選定されることができ、目下の課題は、自分たちがいかにプロフェッショナルとして熟達できるのかを考え、実践すること。
旅をした先では、プロフェッショナルの仕事ぶりや仕事観に出会うこともあり、それに学び、どう秋田の現場に活かしていくかを考える日々です。
新年早々の大規模な自然災害と飛行機事故。世界各地での紛争など、心を痛め、不安を募らせるニュースがつづいています。昨年秋田を襲った豪雨災害も、復興はまだ途上。さらには、円安や物価高の影響で、社会全体が下降していく様を個人的には強く感じています。
その中で謳われつづける「活性化」には少し薄ら寒いものを感じつつも、美術大学を軸とするアーツセンターあきたなりの社会への貢献の方法はあるとの信念は今も揺らいでいません。それをスピード感もって実現していくには、まだまだ基礎体力が伴っていないことを自認しつつ、現状に甘んじずに一手一手を着実に。
2024年もどうぞよろしくお願いいたします。