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BIYONG POINT「MINE EXPOSURES / 鉱山の露光」
3本の無声映画フィルムを起点とした物語

2019.10.19

レクチャー形式を用いた「語り」のパフォーマンスを行う佐藤朋子による展覧会「MINE EXPOSURES / 鉱山の露光」。鉱山の町として栄えた秋田の県北エリアをリサーチし、ドキュメントとフィクションを行き来して紡ぎだした物語とパフォーマンスについて語った、オープニングトークの記録です。

発見された3本の無声映画をもとに、資料館建設が計画された

「閉山した鉱山の廃坑道から、50年以上放置された無声映画のフィルムが3本見つかった。現在、このフィルムの発見を契機に、鉱山と映画に関する資料館の建設が計画されている。」

日本の近代化を支えた鉱山を題材に、解説から始まる展覧会「MINE EXPOSURES / 鉱山の露光」。レクチャーパフォーマンスという、レクチャー形式を用いた「語り」のパフォーマンスを行う佐藤朋子による空間は、建設計画中の資料館に設けられる予定の3つの展示室と3本の無声映画、鉱山にまつわる資料によって構成されています。

展覧会「MINE EXPOSURES / 鉱山の露光」は、2018年度「BIYONG POINT企画公募」に採択された

建設計画中の資料館に関する解説映像。佐藤による資料館に関するレクチャーと、活動写真弁士・片岡一郎による無声映画の上映が行われている(上映時間:45分)

3つの展示室に関する関連資料。展示室は発見された無声映画を軸に構成される計画

鉱山で栄えた秋田県の県北エリアでリサーチを重ねて紡ぎだした物語は、活動写真弁士・片岡一郎による無声映画の上映と佐藤自身による解説映像とで露わとなり、鉱山にまつわる資料展示とかけ合わせることでフィクションとドキュメントを行き来する空間を作り出しています。

初日である8月30日に行われたオープニングトークでは、佐藤の表現手法であるレクチャーパフォーマンスについてと、50年以上放置された3本の無声映画が発見されたという架空の物語から始まる展覧会について語りました。

レクチャーパフォーマンスを表現手法とするアーティスト・佐藤朋子

レクチャーパフォーマンスの起源は?

佐藤によるトークでは、まずは自身の表現手法であるレクチャーパフォーマンスについて解説しました。

「私が修了制作で題材とした説経節の『信太節』は、狐が人間の女性に化けて恩返しをしたが正体がばれて山に帰った悲劇の物語。これを岡倉天心がアメリカで上演しようとして未完に終わったことを知って、私も架空の物語を設計してレクチャー形式のパフォーマンスとして表現しました」

狐の伝説「信太妻」をレクチャーパフォーマンスで語り直した「しろきつね、隠された歌」(2018)

「レクチャーは聖書を読み上げることが起源という説があり、現代美術の文脈でも、ロバート・モリスの『21.3』(1964)などがレクチャーパフォーマンスの代表例としてあげられます。説経節には、節がついているのでより音楽的、芸能的ですが、レクチャーパフォーマンスと親和性が高いのではないかと個人的に思っています」