arts center akita

小学生対象「こどもアートLab」 音と映像をあつめて、演奏したよ!

秋田公立美術大学サテライトセンターの小学生対象「こどもアートLab」では、秋田公立美術大学の教員・助手、卒業生らをLabリーダーに迎えてアート・ワークショップを開催しています。10月に行った萩原健一准教授によるテクノロジー・ワークショップの様子を、ちょっとのぞいてみましょう。

「映像」と「音」をあつめて演奏しよう

秋田公立美術大学とNPO法人アーツセンターあきたは2019年度から、小学生を対象にした「こどもアートLab」を開催しています。月に一度程度、秋田公立美術大学サテライトセンター(フォンテAKITA6階)等を会場に、教員・助手や卒業生をLabリーダーに迎えて、一緒に“つくること”を楽しんでいくアート・ワークショップです。萩原健一准教授をLabリーダーに迎えたテクノロジー・ワークショップ「音をあつめて演奏しよう」では、一体、何をつくったのでしょうか。

スマホやPC、スピーカー、モニターがあつまって、サテライトセンターのデッサンルームは音楽スタジオのように変身。秋田公立美術大学の学生や大学院生が萩原先生を手伝って準備し、ワークショップでは参加者をサポートしていきます。さて、どんなワークショップになるのでしょうか?

記録映像はこちら(https://youtu.be/xIFto6x-MvY
聴くこと、見ることについてのレクチャー
デッサンルームが音楽スタジオのように。PCやスピーカーのほか、これから使うスマートフォンも
耳の使い方、音の種類を意識するために、耳をふさいで無音状態を体験(耳リセット)してからスタート

音の地図を描こう

まずは聴くこと、見ることについて萩原先生がレクチャー。耳の使い方、音の種類、音の階層を意識すること、視覚で音を表現できることなどを聞いた後は、ウォーミングアップとして耳をふさいで無音状態を体験する「耳のリセット」と「音のスケッチ」をしました。その後、みんなが描いた「音の地図」を映していきます。

「音の地図」ってなんだろう?
いろんな音を描いているね
いろんな音が目に見える地図になりました

テレビや映画の場合、出来上がった絵に合わせて音を作ったり、あえて絵とズラして音を作ったりすることもあります。ワークショップでは、絵は自分の動きを、音は自分であつめた音を使います。スタジオで体の動きを撮影して、「自分のジェスチャーに効果音をつける」のが今回の課題です。

参加者たちはジェスチャーをスタジオで撮影したり、フォンテAKITA内や屋外でジャスチャーに合わせたい音をスマホで採取したり。それらをド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ・ドの8音にして、体と音でピアノをつくっていきます。

スタジオでいろいろな体の動きを撮影するよ
フォンテAKITA内や屋外で音を採取しよう

みんな、どんな動きや音をあつめるのかな? 参加者それぞれの目が輝いてきました。

撮影した映像と採取した音をPCに取り込んでいく

体と音でピアノをつくろう

参加者それぞれが採取したのは、木の棚を手で叩いた音、トイレで手を乾燥させる温風の音、エスカレーター付近で聞こえるナレーションの声、信号待ちで流れる音、などなど…。思い思いの音を採取して、それらと体の動きの映像とを合わせてピアノを作ります。
演奏に使用するのは、萩原先生が株式会社 HAUSと共同開発している映像シンセサイザー「E.P.(イーピー)」です。「E.P.」を使うことで様々な楽器でムービーを操作することができます。

ジャスチャーに音を付けていく
膝の屈伸運動にはどんな音を組み合わせたのかな?
学生のサポートのもと、ドレミファソラシドの8音ができていく。ピアノの完成はもうすぐ

みんなで、演奏会!

それでは、サテライトセンターのデッサンルームを音楽スタジオにして、「E.P.」を使った演奏会を開催します。作曲者、演奏者は、小学1、2年生とそのお母さんたち。自分でつくった音と映像で演奏です!

サテライトセンターの一角がステージに
ボールを投げる音はどんな何かな?
お母さんとふたりの動きがダイナミックに映し出される

演奏会の合間には、何の音なのか当てっこをしたり、動きを解説したり。音と映像に少しずつ引き込まれていく子どもたちと、お父さんお母さんたち。見守るスタッフもその瞳の輝きに引き寄せられて、楽しく充実感のあるワークショプとなりました。参加してくださった小学生とお母さん、そしてサポートしてくれた学生さんたち、ありがとうございました。

こどもアートLab「音をあつめて演奏しよう」
[日時]2019年10月26日(土)
[会場]秋田公立美術大学サテライトセンター
[Labリーダー]萩原健一(秋田公立美術大学准教授)
[ワークショップスタッフ]朝倉泰臣、乙戸将司、佐藤若菜
[テクニカルサポート]小木曽護
[記録撮影]森田明日香

協力:株式会社HAUS https://h4us.jp/

「こどもアートLab」は月に一度程度、教員・助手、卒業生らをLabリーダーに迎えて開催を予定しています。“つくること”を楽しむアート・ワークショップを今後もお楽しみに!

◉「こどもアートLab」に関するお問い合わせ
秋田公立美術大学サテライトセンター(NPO法人アーツセンターあきた)
〒010-0001秋田市中通二丁目8-1(フォンテAKITA6階)
TEL.018-893-6128 FAX.018-893-6136
E-mail info@artscenter-akita.jp

Writer この記事を書いた人

アーツセンターあきた

高橋ともみ

秋田県生まれ。博物館・新聞社・制作会社等に勤務後、フリーランス。取材・編集・執筆をしながら秋田でのんびり暮らす。2016年秋田県立美術館学芸員、2018年からアーツセンターあきたで秋田公立美術大学関連の展覧会企画、編集・広報を担当。ももさだ界隈で引き取った猫と暮らしています。

一覧へ戻る