ドンパン娘公式キャラクターとロゴの制作は2022年5月から開始。秋田公立美術大学コミュニケーションデザイン専攻の石川昌准教授と同専攻4年(制作時3年)の吾妻楓子、髙橋空乃、早坂七海、牧田颯平、増田美優、三塚陽菜の6人の学生が、キャラクター「桜田まどか」の等身大版・ちびキャラ版とロゴを制作しました。
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完成したキャラクターとロゴをご覧ください!
「桜田まどか」キャラ設定
ドンパン踊りで人との輪を広げたくてドンパン娘になった女の子。明るく積極的な性格で1人の子を見かけると「一緒に踊ろ!」と声をかけています。好きな食べ物はまんまるなお饅頭。
おじいちゃん子で、「ド」の髪飾りとたまに出る秋田弁がチャームポイント。
「桜田まどか」コンセプト
「絣の柄が遠目だとドット柄のように見えること(ドット柄=円で構成された柄)」「円満造翁の頭文字に円」「円になって踊る盆踊り」、これらのことから『円』に着想を得てデザインされました。
『円』のモチーフをもとに、キャラクターの髪型や頬、お花の髪かざりや絣の模様などは丸みを感じられるデザインになっています。踊りのポーズやドンパン娘の頭文字である「ド」の髪飾り、モチーフの『円』から展開した特徴的な髪型によって、他にはないオリジナリティを持ったドンパン娘のキャラクターとなっています。特徴的な髪型、切り揃えられた前髪、太めの眉毛から素朴さとおばこらしさを演出しています。
「等身大版」「ちびキャラ版」のキャラクターは同一人物で、等身大の大きさのまどかちゃんは、色味を落として落ち着いた雰囲気を強調し、ドンパン娘の凛とした女性らしさを表現。ちびキャラのまどかちゃんは元気いっぱいな表情にすることでドンパン娘と私たちを繋いでくれるような親しみやすいキャラクターを表現しました。
ロゴマークコンセプト
ドンパン娘の髪飾りの「花」や大仙市の水神社に祀られている線刻千手観音等鏡像の意匠、ドンパン節の「ド」をデザインの要素として取り入れました。
「ト」の形は大仙市の地形から形づくり、白く抜かれた部分はうさぎのような形に見えるなど、中仙地域の自然・文化・伝統がロゴから読み取れるようにして、ドンパン娘をはじめとした大仙市の様々な魅力を詰め込んでいます。
マークは「おばこ」にちなみ中心から8.5度(08.5=おばこ)傾けています。配色はドンパン娘の衣装にも使われている赤と白の2色を使って、色数を少なくすることでより使いやすいデザインになっています。
「これまで」と「これから」のドンパン娘の歴史の変遷が感じられるように、「ド」の濁点の境界線にかすれの表現を用いました。ロゴマーク単体でも長く愛されるように意識しています。
ロゴタイプコンセプト
歴史の積み重ねを演出しつつ親しみやすい印象にするため、従来までのドンパン祭りのロゴに見られる筆文字の温かさを意識しました。文字組の曲線部には、ドンパン節の振り付けにおける指先を伸ばした手の形を用いています。
円満造翁や振り付けなどが「円」に関わっていることから、濁点、半濁点や文字のとめ・はね・はらいなどに円を用いています。「娘」のつくりの部分にはドンパン娘の髪飾りの意匠を取り入れました。
キャラクター・ロゴのマニュアルや制作の過程をまとめた冊子も作成しています。
詳細はこちらもぜひご覧ください。
制作においては、ドンパン娘本人たちへの聞き取り調査や、中仙地域の住民の方々へアンケートを通じてご意見をいただき、デザインに反映させています。アンケートや現地調査へのご協力、誠にありがとうございました。
ドンパン祭りでお披露目 地域から拍手で歓迎
キャラクター&ロゴは、8月16日に大仙市中仙地域で5年ぶりに開かれたドンパン祭りでお披露目されました。
青空が広がり、祭りには絶好のお天気。ドンパン祭り実行委員会の開会の挨拶の後、石川准教授や学生がステージに登壇します。石川准教授は「この日を迎えることができ、ありがとうございます。市民のみなさんのご意見を取り入れ、キャラクターとロゴが完成いたしました」とあいさつ。そしてついに、石川准教授の声に合わせて学生が横断幕を広げて、キャラクターの桜田まどかちゃんとロゴが公開されました!
学生を代表して、キャラクター制作に携わった増田美優さんはキャラクターの特徴やコンセプトを説明。「まどかちゃんにはこれからのドンパン祭りをもっと明るく、楽しく盛り上げていってもらいたい」と語りました。
ロゴ制作に関わった牧田颯平さんは「大仙市やドンパン娘の歴史や特徴を感じるポイントをたくさん詰め込んだロゴになった。これ以上ないデザインになったと思う」と語り、祭り会場から大きな拍手で迎えられました。
お披露目後、会場内にはドンパン娘オフィシャルブースが設置され、キャラとロゴが描かれた紙うちわの配布などが始まりました。学生からうちわを受け取った人からは「かわいい」などと声があがり、早速使う姿も。 このほか、スタンプラリーの実施や、地元菓子店によってキャラ&ロゴのシールが貼られたお菓子なども販売され、会場にはまどかちゃんがあふれていました。
夕方、メインイベントのドンパン踊りの時間が近づくにつれ、会場の人出が続々と増えていきます。多くの人に知ってもらうため、メンバーは再度ステージ上に登壇。再びキャラクターとロゴをお披露目をすると会場からは「おぉー」と大きな歓声で迎えられました。
メインイベントの市民も参加し輪になって踊るドンパン踊りでは、配布したうちわを踊りながら掲げる人もいて、キャラクターやロゴが市民に浸透していく第一歩を無事に踏み出しました。
「地域に長く愛されるものに」
教員・学生から
石川昌准教授「全員で作ったキャラクターとロゴがお披露目の日を迎えることができ、感無量です。多くの方のご協力や学生のみんなに感謝したいです。学生も制作期間が1年間と取り組む時間が長かった分、いろいろな経験をさせていただき、人間性を磨くこともでき、成長を感じます。ステージでのお披露目で、地域のみなさんの反応を見て、やってよかったと感じました。今回のメンバーが誰1人欠けてもこの素晴らしいものはできなかった。ぜひ、キャラクターもロゴも地域のみなさんに長く愛されるものとなってほしいと思います」
吾妻楓子「完成まで何回も意見を交換し、良いものを作ることができたと思いました。最初は地域の人に受け入れられるか不安なところもありましたが、受け入れてもらえて嬉しいです」
早坂七海「お披露目の日をやっと迎えられたという気持ち。祭でお披露目して、まどかちゃんがようやく世の中に出てきてくれたと実感しました。やってきてよかったです」
髙橋空乃「お祭り会場でいろいろなところにロゴマークやまどかちゃんの姿がありました。大仙市のみなさんがこれからどんどん普及していこうという気持ちを感じて、とても嬉しいです」
牧田颯平「お披露目できて素直に嬉しい。ようやく日の目を見られたという気持ちです。気分的には娘の門出を祝うような気持ちです(笑)」
増田美優「会場にはたくさんのまどかちゃんたちがいました。こんなにも大仙市の方にご協力いただき、受け入れてもらえるなんて嬉しい。たくさん愛してもらえるといいなと思います」
三塚陽菜「まどかちゃんやロゴが印刷されたうちわをもらっていただいたときの『かわいい』という声が嬉しかったです。これから人気が出てきてくれるといいですね」
2023年度はグッズ開発や商品化を予定しています!
2023年度は、制作したキャラクター&ロゴを活用したグッズ商品などの展開を検討しています。
ドンパン祭りでは早速うちわが登場!そのほかどんなものが生まれるでしょうか。
そのほか、これから中仙地域、大仙市のPRにも活用される予定です。楽しみにお待ちください!
Profile 担当教員プロフィール
石川マサル Ishikawa Masaru
2001年東京藝術大学大学院修了。同大学にてサロン・ド・プランタン賞、杜賞受賞。ドイツとイタリアのデザイン事務所を経て、2008年にデザイナーユニット mi e ruを設立。サイン計画を含むV.I.開発を主軸に、地方都市におけるインナーブランディングを展開中。湯沢七夕絵どうろうまつり(2021)/秋田公立美術大学開学10周年記念展「美大10年」(2023)のアートディレクションほか。著書に「絵ときデザイン史」(MdN)などがある。 https://www.project-mieru.com
Information
ドンパン娘ロゴ・キャラクターデザイン制作事業
■プロジェクトメンバー
大仙市
秋田公立美術大学
石川 昌(コミュニケーションデザイン専攻准教授)
吾妻 楓子(同専攻)
髙橋 空乃(同)
早坂 七海(同)
牧田 颯平(同)
増田 美優(同)
三塚 陽菜(同)
■協力
ドンパン祭り実行委員会
公式HP:http://donpan.hana.jp
公式Instagram:https://www.instagram.com/donpan_festival/
■コーディネーター
伊藤 あさみ(NPO法人アーツセンターあきた)
■お問い合わせ
NPO法人アーツセンターあきた TEL.018-888-8137
※本事業は、大仙市から「ドンパン娘シンボルキャラクター・ロゴ制作事業」として委託を受け実施しています。