京都市立芸術大学ギャラリー@KCUAで開催中の展覧会「蒐集がアートになるとき」。暑さが少し緩んだ8月11日(火・祝)には、展覧会の関連イベントとして、蒐集家・油谷満夫さんによるトークイベント「油谷満夫の蒐集人生」とカッパンケンによる活版印刷体験会を開催しました。
「20数年ぶり」に京都を訪れた油谷さん
京都を訪れるのは「20数年ぶり」という油谷さん。
しかし、よくよく話を聞いてみると、前回訪れたのは京都駅ビルが今の形になる前で(駅ビルのグランドオープンは1997年)、どうやら市電か市営地下鉄に乗ったことがあるようで(京都市電の全線廃線は1978年、地下鉄の開業は1981年)、それらを踏まえると京都訪問は50~40数年ぶりと考えられます。

11日は、10時過ぎに会場に到着。
自らが集めた品々が、京都で展示される様子を見て、誇らしげな様子を見せていました。その後、午前中いっぱいかけて秋田のケーブルテレビ局の取材に応じながら会場を巡り、午後からはトークイベントに臨みました。
予想をはるかに超える多くの方にお越しいただき、油谷さんも気合いが入り、お話しが止まりません。「ものが語る世界」について、農民の知恵と工夫、苦労の証である木の枝や根の形状を生かした道具「木の岐」や、明治以降の農村の暮らしを支えた農具や生活用具の数々、さらには人身売買の証文などを例にお話を展開。お馴染みのクイズに歌、ギャグまで飛び出しました。

油谷さんの集めたものをつなぐ――カッパンケン
トークイベントと同時開催したのは、カッパンケンによる活版印刷体験会。以前油谷さんが使っていた手動の活版印刷機を借り受けて、有志のメンバーによる活用や体験会の開催を続けています。
展覧会のメインビジュアルである、アーティストの尾花賢一さんによる「博覧強記!!油谷満夫」を版に起こし、活版印刷機でポストカードを摺り上げる体験会を行い、多くの方に参加いただきました。



油谷さんが長い時間をかけて集めてきたもの、かつて使っていた活版印刷機、そしてそこから生まれた新たな表現。それらを介して、秋田と京都、過去と現在、油谷さんと来場者がつながった一日となりました。ものは、集め、残されるだけでなく、誰かが手に取り、見つめ、語り直すことで、また新たな意味や関係を生み出していきます。この日の賑わいもまた、油谷さんの蒐集から広がっていく新たな出来事のひとつとなりました。
Information
展覧会「蒐集がアートになるとき」When Collecting Becomes Art
■会期: 2026年7月25日(土)~8月23日(日) 10時~18時
※休館日 月曜日、8月15日(土)、8月16日(日)
■会場: 京都市立芸術大学ギャラリー@KCUA(京都市下京区下之町57-1 京都市立芸術大学 C棟1階)
■主催: 京都市立芸術大学(2026年度京都市立芸術大学ギャラリー@KCUA申請展)、NPO法人アーツセンターあきた、民具とアートとアーカイブの研究所(民具ラボ)
■参加作家: 油谷満夫、國政サトシ、服部浩之、藤浩志、アウト・オブ・民藝(軸原ヨウスケ、中村裕太)、身体0ベース運用法(安藤隆一郎)、イタイミナコ、岩根愛、内田聖良、山岸耕輔・瀬戸彩花
■メインビジュアル:尾花賢一
■デザイン:越後谷洋徳
■協力: 京都市立芸術大学美術学部同窓会象の会
■助成: 公益財団法人小笠原敏明記念財団、公益財団法人野村財団
■後援: 秋田公立美術大学、秋田魁新報社、CNA秋田ケーブルテレビ、日本民具学会
入場無料