秋田公立美術大学は、社会連携事業として、アートやデザイン、まちづくり、ものづくりの知見を生かし、地域の企業や研究機関、自治体と連携して地域の価値創造に貢献する様々なプロジェクトに取り組んでいます。プロジェクトの内容は、調査研究やイベント開催、ものや場所のデザインなど多種多様。アーツセンターあきたがコーディネートし、各委託者の課題に合わせて、ふさわしい専門性を持つ担当教員の紹介と企画提案を行っています。
社会連携事業紹介展示「秋美 × ⬜︎ 」では、秋田公立美術大学ギャラリーBIYONG POINTを会場に、4つのプロジェクトを、2つの会期にわけて紹介します。
会期Ⅰ – 2つの研究プロジェクト
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社会連携事業紹介展示「秋美 × ⬜︎ 」vol.1

能代市で行われた「能代北高跡地利活用可能性検討業務」と、にかほ市の「ジオカルチャー研究プロジェクト」を紹介。
【展覧会は終了しました】
■会期:2025年2月13日(木)-3月9日(日)
■会場:秋田公立美術大学ギャラリーBIYONG POINT
(秋田市八橋南1-1-3 CNA秋田ケーブルテレビ社屋内)
■時間:9:00〜17:30
■主催:秋田公立美術大学
■協力:CNA秋田ケーブルテレビ
■企画・制作:NPO法人アーツセンターあきた
「能代北高跡地利活用可能性検討業務」(2020年度-2023年度)
能代市の市街地に広がる広大な空き地の利活用を、市民と一緒に考えるプロジェクト。
2014年に閉校し、現在更地となっている能代北高跡地の利活用のため、景観デザイン専攻の教員を中心に調査やワークショップを実施。公共施設の計画方法そのものを見直すために、周辺住民や高校生など、様々な立場の方々と意見を交換しました。


話し合いの中から生まれたのはキャンプやまち歩き、高所作業車による展望経験や文化財巡りといった、たくさんのアイデアたち。暫定的・実験的な試みとしてそれらのアイデアを繰り返し実現し、北高跡地のポテンシャルを掘り起こすことに努めました。
能代市の管理コスト削減目標の達成と北高跡地の利活用を両立すべく、持続可能なまちを見据えた“使いながら考える”「思考継続型プロジェクト」です。
本展では、発行してきたニューズレターはもちろん、長きにわたり議論を重ね、実験を試みた様子を、写真やエピソードを交えて紹介しました。
「ジオカルチャー研究プロジェクト」(2021年度-2024年度)
にかほ市の多様な地域資源の発掘と可能性の発見を目指す協働プロジェクト。
にかほ市内や周辺地域の調査を経て、全体的な特徴を掴みながら、「大地・生態系・人間」の3つの存在区分を統合する新しい概念として「ジオカルチャー・ツーリズム」というビジョンを提唱。環境としてのジオス(地球)と、これまで培われてきたカルチャー(文化)のつながりを探るために、教員や助手、学生やアーティストとともに、「野外アクティビティー領域」「伝統・伝承領域」「地域資源領域」の3つの領域とチームを立ち上げ、研究を進めていきました。その一部はレクチャーを交えたまちあるきなどの開催などを通じて、地域へと還元していきました。


会場では、リサーチの成果をまとめた冊子や、プロジェクトを紹介する研究レポート「手長足長vol.1~4」や拡大版の表紙なども展示。これまでの記録を総括し、プロジェクトの全容に迫りました。
2つのプロジェクトについて、詳しく知る
会期 II – キャラクターを生み出す過程
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社会連携事業紹介展示「秋美 × ⬜︎ 」vol.2

大仙市で行われた「ドンパン娘シンボルキャラクター・ロゴ制作/活用事業」、11〜15歳を対象にワークショッププログラム「クリエイトブラボー」を紹介。
■会期:2025年4月5日(土)-6月上旬ごろ
■会場:秋田公立美術大学ギャラリーBIYONG POINT
(秋田市八橋南1-1-3 CNA秋田ケーブルテレビ社屋内)
■時間:9:00〜17:30
■主催:秋田公立美術大学
■協力:CNA秋田ケーブルテレビ
■企画・制作:NPO法人アーツセンターあきた
「ドンパン娘シンボルキャラクター・ロゴ制作/活用事業」(2022年度-2024年度)
秋美が大仙市から委託を受けて実施した、キャラクターおよびロゴマークの制作と活用事業。同市中仙地区を代表する「ドンパン祭り」や、その踊り子の「ドンパン娘」、民謡「ドンパン節」など、この地域の歴史や文化についてデザインの力で発信することで、地域に対する理解増進や利潤創出につなげることを目的としたプロジェクトです。
まずは、コミュニケーションデザイン専攻の教員と秋美学生を中心に、綿密な現地調査や市民アンケートを経て、大仙市のドンパン娘シンボルキャラクター・ロゴ制作。翌年には、制作したシンボルキャラクター・ロゴの活用に着目しながら、グッズを制作。その活用方法や展開などを検討し、試作品作成へとつなげました。2024年には、道の駅なかせんのホールにて、ドンパン祭りやキャラクターなどについて発信するための展示を開催しました。

本展では、膨大な写真や等身大のまどかちゃんのイラストを含め、多数の資料を展示。3年に及ぶ継続的なプロジェクトの全体像を知るきっかけを提供しています。
ドンパン娘キャラクター・ロゴ事業について詳しく知る
「クリエイトブラボー」
11〜15歳を対象にワークショップを開催する、秋美が主催するプログラム。参加者の興味・関心を後押しできるような体験や経験の場を通して、自発的な行為や活動を応援しています。教員や大学生だけでなく、秋田市内外の方々とも協力しながら、いつもとは異なる体験やとことんやってみたいことを追求する場を作り出し、こどもたちの自主性を育むことを目指しています。
専門家や大人がサポートしながら、挑戦者自らが考え決定した“やりたいこと”に取り組む、そのクリエイティビティを後押しすることを目的とした「NEOびじゅつじゅんびしつ」。また、こどもたちが、その日初めて出会ったメンバーとともに、考え、伝えあい、相談しながら当日発表される秋田県内のとある場所を旅する「ヒマティーン・トリップ」。今回は昨年実施した、これら2つの活動記録写真や一部資料を展示し、これまでどのような活動をしてきたのか、触れてもらう機会としています。
今回、紹介している事業については、これまでも冊子やWeb上でレポートしてきましたが、展示空間ではプロジェクトの流れを体感し、冊子などの成果物を直接閲覧できます。
地域住民と、秋田公立美術大学の教員、学生が協力しあって新たな活動にチャレンジする、そのプロセスを、ぜひご覧ください。
レポート:木田歩
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社会連携事業紹介展示「秋美 × ⬜︎ 」vol.2

■会期:2025年4月5日(土)-6月上旬ごろ
■会場:秋田公立美術大学ギャラリーBIYONG POINT
(秋田市八橋南1-1-3 CNA秋田ケーブルテレビ社屋内)
■時間:9:00〜17:30
■主催:秋田公立美術大学
■協力:CNA秋田ケーブルテレビ
■企画・制作:NPO法人アーツセンターあきた