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展覧会「ARTS & ROUTES -あわいをたどる旅-」 11月28日(土)より開催! 紀行家・菅江真澄の創造性に着目する

秋田公立美術大学は、ARTS & ROUTES展実行委員会(秋田県立近代美術館・AAB秋田朝日放送)と連携し、2020年11月28日(土)より、秋田県立近代美術館(秋田県横手市)において、展覧会「ARTS & ROUTES -あわいをたどる旅-」を開催します。

菅江真澄を現代美術の視点で捉える

江戸時代後期に活動した旅行家で博物学者の菅江真澄は、三河国に生まれながらも、東北全土を歩き秋田にも長く滞在しました。様々な土地でフィールドワークを行い、そこにある文化習俗、風土、宗教や儀式、生活の様子などを図絵や言葉を描き、詩を詠み、残していきました。真澄のこの活動は記録として価値があるだけでなく表現としても高く評価されるべきものです。また、約200年前に真澄が残した記録をたどり、その表現としての価値を再考することは、写真や映像などの複製技術が発達し、それらによる記録が芸術表現においても大きな地位を占めるようになった現在においては非常に重要なことでしょう。

本展は、様々な媒体により表現される芸術自体が、多様な領域の”あわい”にあるものということを改めて意識した上で、「旅と表現」をひとつの主題とするものです。秋田公立美術大学はフィールドワークやリサーチを軸としたプロジェクト型のアート活動を多数展開し、新しい芸術領域の創造を探求しています。本展は、真澄の描いた図絵を手掛かりに真澄をたどるプロジェクトを起点とし、美術館や博物館の収蔵作品・資料なども交え、出来事や時間などかたちをもたないものを現代の表現で展覧会へと描き出す試みです。
[服部浩之(インディペンデントキュレーター/秋田公立美術大学大学院 准教授)]

出展プロジェクトは以下の通りです。

01.「菅江真澄プロジェクト」
菅江真澄の記録と表現の軌跡をたどる。
・石倉敏明(芸術人類学/秋田公立美術大学 准教授)
・唐澤太輔(哲学・文化人類学/秋田公立美術大学大学院 准教授)
<関連記事>
「菅江真澄をたどるプロジェクト、始まる。考古学からみた真澄とは?」
「ディスカッション「真澄と美術との接点の作り方」」
「真澄が描いた「木」、長坂が写す「木」」
「ディスカッション「現代の視点から真澄の行為をたどる」」
「真澄が秋田で愛される所以」
「哲学的な視座による「真澄的存在論」とは」

02.「秋田人形道祖神プロジェクト」
疫病などの災いから人々をまもる民間信仰の神様と地域コミュニティの交わりを追う。
・小松和彦(郷土史家)
・宮原葉月(アートクリエイター)
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「最も古い形態の人形道祖神を記録した観察眼」

03.「旅する地域考」
秋田を旅し地域と芸術について探求する3年間の試み。
・岩井成昭(秋田公立美術大学 教授)/岸健太(秋田公立美術大学大学院 教授)/石山友美(秋田公立美術大学 准教授)/小熊隆博(合同会社みちひらき)/柳澤龍(Share Village Project)
<ウェブサイト>
akibi-tabikou.jp

04.「移行する旅の記憶」
アメリカニゼーションと放浪のイメージについての考察。
・岩井成昭(美術家/秋田公立美術大学 教授)
<関連記事>
「リサーチと多様なメディアでのアプローチによって土地の姿をあぶり出していく」

05.「移動とエコロジー」
菅江真澄の描いた「木」を通して生態系の移ろいを考察し、植生の移動を追う。
・長坂有希(アーティスト)
・2019年度展覧会ゼミ(秋田公立美術大学 学生):武田彩莉/谷口茉優/宮本しおり/乙戸将司/須川麻柚子/伊東陽菜/三井晴香
<関連記事>
「プレ展覧会 長坂有希「木:これから起こるはずのことに出会うために」」
「写すことで意識的に「ずれ」と向き合う「木:これから起こるはずのことに出会うために」」

06.「境界と移動のシステム」
境界と移動の構造を、物質の身体性と人の行為の介入から読み解く。
・迎英里子(アーティスト/秋田公立美術大学 助手)
<関連記事>
「迎英里子+飯岡陸トーク「パフォーマンスは、物質の身体性を見せるもの。人間は自由に動く装置のひとつだと思う」」

07.「記憶と記録の再構成」
1960年生まれの男の記録をねずみの視線で再構成する。
・藤浩志(アーティスト/秋田公立美術大学 教授)

プロジェクトが始動した2019年から展覧会開催までの制作の軌跡(過程)を、広報紙『JOURNAL(ジャーナル)』に記録、これまでに4号を発行しました。
公式ウェブサイトでは、バックナンバーも公開しているほか、希望者には郵送も可能です。

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展覧会の前売りチケットは、2020年11月27日(金)まで販売中です。
ぜひお越しください!

Information

展覧会「ARTS & ROUTES -あわいをたどる旅-」

■会期:2020年11月28日(土)~2021年3月7日(日) 9:30~17:00
■会場:秋田県立近代美術館 (秋田県横手市赤坂字富ケ沢62-46 秋田ふるさと村内)
■TEL:0182-33-8855
■観覧料:一般1,000円(800円)/高校生・大学生500円(400円)

※中学生以下無料
※( )内は20名以上の団体および前売の料金
※学生料金は学生証提示
※障害者手帳提示の方は半額(介添1名半額)

■前売りチケット販売所:秋田県立近代美術館・秋田ふるさと村・さきがけニュースカフェ・ローソンチケット(Lコード:21782)

・主催|ARTS & ROUTES 展実行委員会(秋田県立近代美術館・AAB秋田朝日放送)・秋田公立美術大学
・企画監修|服部浩之
・企画運営|NPO法人アーツセンターあきた(岩根裕子・石山律・藤本悠里子・高橋ともみ)
・グラフィックデザイン|吉田勝信・梅木駿佑
・ウェブコーディング|北村洸
・後援|横手市・横手市教育委員会・秋田魁新報社・河北新報社・朝日新聞秋田総局・毎日新聞秋田支局・読売新聞秋田支局・産経新聞秋田支局・日本経済新聞社秋田支局・横手経済新聞・CNA秋田ケーブルテレビ・エフエム秋田・横手かまくらFM・エフエムゆーとぴあ・FM はなび・秋田県朝日会・東日本旅客鉄道株式会社秋田支社

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